中学受験について語る矢野氏
第1志望不合格…保護者はどうすべきか
わが子が第1志望には合格しなかった保護者たちは、辛い思いをしているでしょう。残念な結果ではあっても、わが子を否定しないでいただきたい。中学受験でがんばらない子なんて、1人もいません。第1志望の中学校に合格できるのは、一説によると、男子は約4人に1人、女子は約3人に1人だといわれています。第1志望ではない中学校に進学する子のほうが多いわけです。まずは「お疲れさま」と労ってあげてほしいですね。
そして、進学すると決めた学校を、親子で好きになっていただきたい。私立の中高一貫校の先生にうかがうと、「学校が好き」という子ほど先生の言うことを嬉々として聞き、何でも吸収してやろうという気持ちになり、成績が伸びるそうです。保護者はわが子が進学する学校のパンフレットを見て、「いい学校だね」と前向きな声がけをしてあげていただきたい。わが子には、「おいで」と受からせてくれた学校に、胸を張って入学式に出席していただきたいと思います。
結果的に公立中学へ進学することになった子に対しても、「お疲れさま」と労ってあげていただきたい。結果はどうあれ、まだ小学生。毎日塾に通い、何時間も机に向かってがんばったのです。それだけで立派なことです。首都圏在住の小学生のうち中学受験をするのは約15%とされています。多くは地元の中学に進みます。よく知る友だちもいますし、高校受験で挽回もできます。不合格で落ち込んでも、中学校での新生活までの一か月の間に気持ちを立て直し、楽しい新生活に思いをはせてほしいと思います。
中学受験を終え、さっそく英語塾を探されている保護者もいるようです。わが子が「やりたい!」と自分から言い出すなら良いですが、中学に入ったらイチから勉強しますから、私は焦らなくてもいいのかな、と考えます。わが子をよく観察し、受験を終えノンビリしたがっている子にはノンビリさせ、外で遊びたい子は遊ばせ、読書をしたい子にはたくさん本を読ませれば良いでしょう。家族で旅行を楽しむのも良いと思います。