玉垣親方(時事通信フォト)
執行部の思うつぼ
「もともと白鵬は、協会を牛耳るために数々の独自策を打っていた」と協会関係者は言う。
「ジュニア発掘のために白鵬杯を立ち上げ、有望株は中学から鳥取に相撲留学させる。パイプのある鳥取城北高から大学に進ませ、入門させるルートを作り上げた。モンゴル出身の有望株も中学から日本に相撲留学させ、10年以上の在住実績があると日本出身扱いで入門させられる。そうして宮城野部屋に有望な力士を集中させる戦略だった」
その第一号がモンゴルから北海道に来ていた小学生時代にスカウトした北青鵬だったが、そこでスキャンダルが生じたため、「協会は白鵬の築いた有望株獲得ルートを徹底的に潰しにかかっている」(同前)のである。
相撲ジャーナリストは、「嫌気が差した白鵬が、貴乃花のように退職して“シン相撲協会設立”に動く可能性も考えられるが、むしろそれは執行部の思うつぼ」と話す。
退職後に貴乃花は道場を立ち上げたものの大きな組織にはできていない。
「白鵬を待つのも“第二の貴乃花”の道だ。簡単には出ていかないだろうが、八角政権下で駆け引きが続くだろう」(同前)
“大横綱”の退職という事態が繰り返されるのか。
※週刊ポスト2024年3月22日号