後ろの真美子夫人に振り返るドジャースの大谷翔平(手前)。2024年03月15日、韓国・ソウル近郊の仁川空港(時事通信フォト)

後ろの真美子夫人に振り返るドジャースの大谷翔平(手前)。2024年03月15日、韓国・ソウル近郊の仁川空港(時事通信フォト)

公開は「野球に集中したい」からか

 野球に集中したいからこそのタイミング、あの写真だったのだ。それは妻の存在が彼の目指す野球そのものに関係するから。メジャーの多くの球団は選手だけでなく家族もチームの一員だという話をよく聞く。試合や遠征には家族が帯同するケースも多く、家族も一緒に戦うチームの一員だ。大谷選手の妻もこれからは、チームの一員として彼の、彼らの野球に関わっていくことになる。大谷選手にとってはただ単に妻を公開したというより、チームの一員となった妻を公開したということではないだろうか。自身にとって強力なサポーターである新しいメンバーを紹介したと思えば、チームメンバーらと御揃いのウェアも、一緒の出発前の写真も、そこに添えられた「楽しみ」という言葉も不思議ではない。すべては野球に関係しているのだ。

 だから大谷選手自身からは写真以上の情報は公表されなかった。新妻の名前もなし。名前はプライバシーそのものだからだろう。その人を特定するだけでなく、家族や関係者まで特定してしまう。彼の愛犬、デコピンはどうかといえば彼もまた少なからず野球と関係する。大谷選手が右肘の手術を受けた後、あるインタビューでデコピンを飼い始めた理由を聞かれ、「一緒にこうリハビリを頑張りましたね」と答えている。彼の中では野球に関係するか否か、その線引きが明確に引かれているのだろう。

 韓国での開幕リーグ、新妻の応援を受けながら高尺スカイドームの空に描くアーチは、きっとこれまで以上に気持ちがいいことだろう。

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