現在はプロスケーター、そしてコーチとして活動する安藤美姫さん(本人提供)
怪我を乗り越え世界王者に
2022年夏には三浦選手がオフに肩を脱臼したものの、そこから世界王者に駆け上がった。
「片方が自信を失っている時期でもしっかりと支え合ってきたことで、2人の関係が“信じ合う力”に変化したのだと思います。木原選手からは、三浦選手を支える“お兄さん”のような、余裕や自信も感じられるようになりました」
一方で2023年秋には、木原選手が腰椎分離症となり、シーズン前半の試合を棄権した。
「今季は木原選手のもどかしい時期を三浦選手が支えたのでしょう。強いアスリートは怪我も良い意味に捉えて、カムバックしてきます。怪我をしたからこそ、弱い部分を強化しなおしてパフォーマンスが上がることもあるんです。
目先の試合は出られなくても、もっと先の大きな試合に目を向けて進化する。そういったコントロールを“りくりゅう”は上手に出来ているなと思います」
木原選手が怪我から復帰したのちに2024年2月の四大陸選手権に出場。大会出場のブランクを感じさせない息のあった演技で2位となった。
「2人の信頼関係や呼吸があっているので、短い時間で集中して、回復できたのだと思います。怪我明けの演技としては、すごく安定していると思って見ていました。きちんとケアをして強くなって帰ってきたと思います」