羽生結弦(29才)が浅田真央(33才)を「ずっと憧れの人です」と言えば、浅田は羽生を「史上最高のスケーター」と価値付ける。フィギュアスケートの一時代をともに築き、主要な大会で4度のアベック優勝を経験した。いまなおスケート界を牽引する2人だが、歩もうとする“道”の評価は大きく割れている──。
「グッチのコミュニティの仲間になることを、心から嬉しく感じています。長い歴史の中で、クラフツマンシップに情熱を傾け、類稀なクリエイティビティを発揮し、日本でも多くのファンを持つグッチの魅力を、学んでいきたいと思っています」
羽生結弦が久しぶりに喜びのコメントを発表した。高級ファッションブランド『グッチ』のブランドアンバサダーに就任したという。
「グッチのメンズアンバサダーには世界のトップ俳優やアーティスト、スポーツ選手などそうそうたる面々が名を連ねています。
2大会連続の五輪金メダルに加えて史上最年少で国民栄誉賞を受賞。プロ転向後も常にチャレンジし続ける羽生さんの姿勢が評価されてのことでしょう。離婚については詳しいコメントを出さなかったのに……という意見もありますが、快挙といえる大抜擢だと思います」(ファッション関係者)
羽生のスケートへの情熱も欠けることはない。3月8~10日には、自身が座長を務めるアイスショー『notte stellata2024』に出演。4月には単独アイスショー『RE_PRAY』の追加公演も控える。
「羽生さんにとって今年は30才を迎える節目の年。プロ転向後、アイスショーのすべてを自身でプロデュースした経験を生かして、新たなエンターテインメントに挑戦しようとしているそうです」(スケート関係者)
羽生の拠点は、出身地である宮城県仙台市。いまも連日深夜に向かうのは、幼い頃から慣れ親しんだ仙台市内のスケートリンクだ。通年使用ができる数少ない施設で、羽生ファンにとっての聖地でもある。
「このリンクが、昨夏、電気代高騰を理由に3か月間の一般営業の中止を余儀なくされました。その際にも羽生さんは著書の印税収入をリンクに寄付するなど手を尽くしましたから、本当に大切にしていると思います」(別のスケート関係者)
さらに、羽生は別のアイスリンク新設にも意欲的だという。
「いま宮城県内で初めてフィギュアスケートの国際規格に対応した通年型のリンクの建設が進んでいます。2025年度に利用がスタートする予定です」(前出・別のスケート関係者)
羽生が練習に利用する前述のリンクから車で20~30分ほど。仙台市と大手スポーツ関連企業が運営する多目的アリーナの『ゼビオアリーナ仙台』の一施設として開設される。
昨年11月、リンク新設が発表されると、羽生は次のようにメッセージを寄せた。
「自分と同じように、この街でフィギュアをやりたいと思う次の世代が1人でも多く生まれることを期待しております」
だが、歓迎すべき新リンクの建設を、疑問視する声もある。
「完成した新リンクが羽生さんの新たな拠点になるとみられます。羽生さんが手がけるアイスショーも開催されることになるでしょう。
ただ、この新リンクを使用できるのはプロのスケーターやアイスショーの開催のみだということで、一般の利用はできないそうなんです。仙台市がかかわる施設で人件費&運営費用は最大で年約3億5000万円、20年間で70億円と試算されています。多額の税金が投入されるのに、市民は使えないということに疑問の声があがっているのです」(仙台市関係者)
たしかに、羽生がアイスショーを開けば多くのファンが集まり、周辺の宿泊施設や飲食店などへの経済効果も見込めるだろう。
「ですが、それはあくまで地元経済界での話。羽生さんが考える“次の世代が1人でも多く生まれることを期待”という願いとは異なる、ビジネスライクな考え方です。羽生さんはどういう思いで歓迎のメッセージを出したのでしょうか……」(前出・仙台市関係者)