昨シーズンは岡田語録が各紙を賑わせたが…
番記者を完全スルー
トラの“機関紙”といえばデイリースポーツだが、スポーツ各紙と球団の関係性について、ベテラン編集委員はこう話す。
「時の監督が評論家時代に所属したスポーツ紙は擁護派になるし、縁のないスポーツ紙は批判的な記事を書きやすい。関係性で論調が変わります。岡田監督が専属評論家だったデイリーや、関係のいい記者がいるスポニチは基本的には擁護派。今回のスポニチの騒動は、担当者の筆が滑ったということでしょう」
その視点からは、今後への懸念も見えてくる。オープン戦最終試合(3月24日のオリックス戦)の後、各紙が岡田監督の談話を「(オープン戦で)収穫はあんまりなかったな」と報じたなか、サンスポだけ「(オープン戦の結果はまさかだが)そんなん全然関係ないわ。何かあんの?」と踏み込んだ。
「サンスポは矢野燿大・前監督が退任した2022年、岡田監督の就任を最初に報じた媒体。球団は後任人事をシーズン終了まで発表しない予定で、各社に自粛を申し入れていたが、サンスポが抜け駆けした。岡田監督との関係は良好と言えず、“アンチ”だから書けたとも言える。チームが調子を落とせば批判の急先鋒になり、岡田監督を苛立たせる可能性がある」(同前)
昨年6月、DeNAに3連敗を喫して首位陥落した際も、メディアとの間に不穏な空気が流れたという。
「横浜スタジアムの試合前のイベントについて、岡田監督が雑談で『ちょっと時間が長いよな』『言うとけよ、横浜に』と話したのを書いたら、岡田監督が激怒し、初戦の囲み取材を拒否。バスに乗るまでのぶら下がりには応じたが、3連敗すると記者の前を完全にスルーしていた」(前出・番記者)
阪神の元編成部長でコーチ経験もある黒田正宏氏はこう言う。
「第一次政権では記者に、“そんなことも知らんのか”“わかりきったことを聞くな”というスタンスでしたが、今は丁寧に受け答えしている。多少負けが込んでも、今年は大丈夫やと信じています」
ファンも“おもろい語録”を期待している。
※週刊ポスト2024年4月12・19日号