今シーズンの佐々木朗希をどう見ている?(時事通信フォト)

今シーズンの佐々木朗希はどうなる?(時事通信フォト)

「メジャー移籍する選手に対して日本の野球ファンが反発心を覚えるのは、そこに“日本を捨てる”という気持ちを感じてしまうからでしょう。それが最もよく現れたのは、2002年に松井秀喜がメジャー移籍会見で語った『裏切り者』という発言です。

 松井はその年、0.334、50本塁打、104打点という見事な成績でチームを日本一に導き、オフにヤンキースへの移籍を決めましたが、会見で『今は何を言っても裏切り者と言われるかもしれないが…』と語ると、巨人の球団代表も『メジャー・リーグに流出させたことを深くお詫びします』と述べ、会場はまるでお通夜のような雰囲気に。当時は松井のような実績を残した選手でも、野球ファンの心情を考えるとメジャー移籍を堂々と宣言する状況ではなかった。

 この頃から、“メジャー移籍するには、一定の成績を残してから”という認識が広がっていったように思います」(スポーツライター)

 その後、実績を残した選手が、メジャー球団から球団に譲渡金がはいるポスティングシステムを使って球団に移籍を認めさせるのが大きな流れになってきた。球団が認めることでファンからも応援ムードが高まるというのも近年の傾向だ。

 佐々木は前述の通り、一昨年にプロ野球28年ぶりの完全試合を達成し、WBCでもその実力を発揮。しかし、“ガラスのエース”という批判は絶えない。

「佐々木のポテンシャルだけを見れば、彼がメジャーで活躍できるのは間違いありません。昨年オフの番組で、各球団の主力選手が佐々木について語る場面がありましたが、口を揃えて『あれは反則』『モノが違う』『さっさとメジャーに行ってほしい』と語り、その実力に誰もが太鼓判を押しました。交流戦でスコアラーから『対策しようがない』という報告が上がったという伝説もあります。

 しかしそれは彼のコンディションが万全の時の話。プロ1年目は1軍はおろか2軍戦でも登板せず、2年目は中10日という異例の間隔での登板。完全試合を達成した3年目も結果的には9勝止まりで、昨年も夏場に故障して7勝に終わりました。メジャー側からすれば、“瞬間最大風速”がどれだけ大きくても、1年を通じて働けない選手は要りません。“1年間しっかり活躍してから”というファンの指摘は、客観的に見ても納得できるものでしょう。

 加えてポスティングシステムの問題もある。ロッテが認めればポスティングシステムを使って移籍することは可能ですが、25歳未満の佐々木はマイナー契約しか結ぶことができません。ロッテに入る譲渡金は少なく、球団にとってメリットが少ないのです。

 それでも球団、ファンにメジャー移籍を認めさせるには、佐々木が1年間ローテーションを守ってチーム成績に貢献することが“条件”となる。20勝とは言わずとも、17~18勝を上げれば、メジャー行きを歓迎するムードは高まるでしょう」(同上)

 噂に上がるドジャースに入れば、大谷、山本、佐々木でローテーションを回す可能性も充分ある。フルパワーで1年間戦うときがいよいよやって来るか――。

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