この治療は外来や一泊での入院が可能な軽症から中等症の患者以外に、全身麻酔には適さない超高齢者や透析患者も対象となる。2018年に保険適用となっているが、治療できる医療施設はまだまだ限定的だ。
「一方で重症な腰部脊柱管狭窄症の手術法も大幅に変わってきています。以前は脊椎に沿って大きく切開し、脊椎から筋肉を引き剥がして行なうので、出血や痛みがあり、しかも回復までに時間がかかりました。現在は最小の傷で出血も著しく減少させることができる、最小侵襲手術法が複数登場しています」(篠原副センター長)
近年、ようやく脊椎脊髄外科専門医制度も確立され、専門医が誕生している。
患者は何も恐れることなく、自分の症状に合わせた最小侵襲手術を選択できるようになってきているのだ。
〈次号に続く〉
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2024年5月3・10日号