芸能

『笑点』新メンバー・立川晴の輔、高田文夫氏への報告が遅れる「高田センセーだけには教えるなと“笑点サイド”から言われてまして」

『笑点』新メンバーに選ばれた立川晴の輔(イラスト/佐野文二郎)

『笑点』新メンバーに選ばれた立川晴の輔(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、『笑点』新メンバーについて綴る。

 * * *
 75歳にもなって落ち着きのない毎日。『笑点』新メンバーは立川晴の輔と発表のあった翌昼、ニッポン放送へ喋りに行くと玄関で小犬のように震えてお菓子を持って立っている男ひとり。「そういうことになりまして、あいさつ遅れてすいません」「昇太の昔から一之輔、お前と何で俺に言わねぇんだ」「高田センセーだけには教えるなと“笑点サイド”から言われてまして」。まあ何にしてもめでたいからいいや。

 晴の輔は東農大農学部で真打披露のパーティの時は学生達で大根を持って名物大根踊りをやっていた。「最後の最後の大トリでごあいさつお願いします」と言われていたのですっかり酔ってしまい、壇上に立川流などズラリ並んだところで私。いきなりとんでもないことを言って会場が揺れて倒れるかと思った。師匠の志の輔そっと私の耳元で「新真打もこれでいい想い出ができました」だと。初代司会者・談志以来55年ぶりの『笑点』に立川流入りである。

「さそり」「キル・ビル」何しろ格好いい梶芽衣子がやってきた。きけば新曲ばかりのアルバムを出し、5月12日には渋谷でライブもやる(行けそうな人は調べて下さい)。失礼だから年齢の話は出さなかったのに自分から「“7”って数が好きなのよ。77歳文句ある?」。ふた言目には「あたしゃね、神田だからネ、文句ある?」。ある訳がない。面白く格好いいお姐さんである。この小気味良さ誰かに似てるなと思ったら加賀まりこさん、そして私の姉もこんな性分。

 格好いいと言えば音楽界的にはなんたって加藤和彦でありました。音楽もファッションも食通ぶりも総て我々の一歩二歩どころか三歩先を行っていました。若い人にこの名を出してももう知らないんですネ。「ザ・フォーク・クルセダーズ」「北山修」「帰って来たヨッパライ」「あの素晴しい愛をもう一度」「サディスティック・ミカ・バンド」「安井かずみ」と言っても分からない世代が増えました。その生き方の小粋さを改めて教えてくれるドキュメント『トノバン 音楽家加藤和彦とその時代』が完成。5月末には公開。

 刑事ドラマに出ているナイツ塙を見て私が「見たよ。流れるような棒読みだな」と言ったら負けず嫌いな塙、私のこの言葉から何と「劇団スティック」を立ちあげた。素人の棒読みばかりを集めたのだ。昨年(ふびんに思った戸田恵子が客演)に続き先日第2回公演を成功させた。今年はミュージカルであった。びっくり。

※週刊ポスト2024年5月3・10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」