降圧剤の「危ない飲み合わせ」【健康食品・サプリメント】

降圧剤の「危ない飲み合わせ」【健康食品・サプリメント】

 紅麹の健康被害が起きたことでサプリや健康食品に注目が集まるが、それらには薬のような「添付文書」がなく、飲み合わせリスクが見えにくい。

「紅麹は脂質異常症治療薬のスタチン系薬と同じ構造の成分を持ち、コレステロール値を下げる機能がありました。紅麹だけでなく、ほかにも薬と同じ成分を医薬品よりも多く含むサプリがあります。サプリは成分を凝縮しているため過剰摂取してしまうリスクもある」

 そう語る長澤氏は降圧剤とコエンザイムQ10の併用に注意を促す。

「疲労回復などの健康効果が期待されるサプリですが、単独で血圧が下がったとの研究結果もあり、降圧剤との飲み合わせによる過度の降圧には注意が必要です」

 逆にサプリなどが、期待される薬の効果を減退させるリスクもある。

「血行促進や免疫機能の活性化などが期待される朝鮮人参はループ利尿薬との飲み合わせで降圧効果が弱まる恐れがあります」(長澤氏)

 普段の食卓にならぶ食べ物や飲み物にも注意が必要だ。谷本医師が言う。

「Ca拮抗薬とグレープフルーツを一緒に摂取すると、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分が肝臓での代謝に影響を与え、薬の効果が強く出て血圧が下がりすぎる等の副作用が出る可能性があります。ハッサクや伊予柑など一部の柑橘類も同様です」

※週刊ポスト2024年5月17・24日号

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