代々木八幡公衆トイレ

代々木八幡公衆トイレ

 平山は日々、淡々とトイレ清掃を行う。日が昇る前に目を覚まし、車で渋谷区へ。自作の清掃道具を手に、ひとり、ただ黙々とトイレを掃除するのだ。

「ヴィム・ヴェンダース監督はTTTプロジェクトについて『日本的なアイディア』『ユートピア』と評し、インタビューでは『トイレを清潔に保つことは単なる仕事ではなく、ものや人に対する態度であり、哲学でもある』と語っています。作品内の、トイレを通して伝わる日本人の美徳が、役所さんの演技との相乗効果もあり観客の心に響いたのでしょう。

 とはいえ、日本のトイレがここまでエンタメ化し、渋谷区のトイレツアーが人気を博すことになるとは、役所さんもさすがに想定外だったのではないでしょうか」(映画関係者)

 前述のツアー参加者も、もれなくこの映画に胸を打たれていたようだ。前出のイギリス人女性が語る。

「私はもともとドラマ『深夜食堂』が大好きで日本に興味を持っていたけれど、地元の映画館で『PERFECT DAYS』を見て衝撃を受けました。日本旅行は映画を見る前から決まっていたのだけれど、ぜひロケ地のトイレに行きたいと思って調べたんです」

 前出のハンガリー人女性には、うれしい誤算があったという。

「まさかトイレの近くにある、主人公がお昼ご飯を食べていた神社にも行けるなんて! 晴れていたから、きれいな“KOMOREBI”も見ることができて、満足しています」

 神奈川県から参加した夫婦は「この興奮のまま4回目を見ます」と足早に映画館へと向かった。トイレの価値はどこに流れ着くのか。

※女性セブン2024年5月30日号

映画

トイレの清掃員に扮した(写真は昨年末)

本物の清掃員のよう

本物の清掃員のよう(写真は昨年末)

映画の撮影だった

受賞スピーチで、会場を笑わせた(写真は昨年末)

自宅の隣の土地を購入

自宅の隣の土地を購入

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