あるテレビ番組では、妻が夫の良純を「優しくて、ああ見えて自分のことだけじゃなく、周りの人のことすごく見ています。自分の言いたいことを言っているだけと思われがちですけど、自分の両親や私の家族にまで、いつもいろいろ気を遣ってくれているんです」とベタ褒めしていた。
「国会議員になった兄と弟とは違って、一人バラエティータレントとして生きてきたため、パブリックイメージは、典型的な“昭和生まれの面倒なおじさん”。だが、その実は、自民党幹事長まで務めた兄伸晃さんからも、『良純が兄弟で一番頭がいい』と言われるほど。それでいて家族も大事にされているので、どこを叩いても何も埃(ほこり)がでない優秀な人なのです」(前出・テレビ局関係者)
思えば、父の慎太郎さんは作家、政治家としては超一流だったが、良純は過去に「死ぬ間際の最期に、僕らにひとこと『子育てに興味なかった』って言ったんだよね」と回想していた。「子供がうるさくて、飯を食った気にならない」と食卓を共にせず、正月の家族旅行にも「12月30日にオヤジが温泉旅館に来て、『つまらんから帰る』と翌31日に一人で帰っちゃう人だった」と明かしたこともあった。
どこか家族と子供にドライだった父親を反面教師にしたのか。冒頭、義父母を招いてのディナーは家族愛に満ち溢れていた。退店後には大通りで大きく手を振り、家族のために流しのタクシーを拾う背中は、やっぱり頼もしかった。