落語家を志したのは40歳の時だった(撮影/小倉雄一郎)

落語家を志したのは40歳の時だった(撮影/小倉雄一郎)

お弟子さんが「ずるいですよ!」

──東京には2つの協会がありますよね。最大派閥の落語協会はやや保守的、対する落語芸術協会はリベラルな印象があります。なので、落語協会は前座のうちは型通りにやって「笑わせようとしてはいけない」みたいな空気があるそうですが、落語芸術協会はウケるなら何をやってもいいみたいな雰囲気なのだそうです。その点、上方の落語はどんな雰囲気なのでしょうか。

方正:上方も落語芸術協会みたいな感じですね。人気が出れば勝ち、みたいな。ある種、テレビの世界に近い。東京だと落語家、漫才師、テレビタレントって、分かれている感じがしますけど、大阪はごっちゃごちゃです。ジャンルどうこうより、おもしろければいいんだという文化ですよね。

──先ほど、立川志の輔さんから噺を教えてもらったという話(全3回中の第1回の記事参照)が出ましたけど、これまでいくつ教わったのですか。

方正:まずは『鼠穴』で、次に『井戸の茶碗』。あとは『山崎屋』です。

──立川流は師匠が弟子にあまり稽古をつけないと聞いたことがあるので、弟子の方でもそんなに稽古をつけてもらってはいないのではないですか。

方正:お弟子さんに言うと、みんなびっくりしますね。ずるいですよ、僕らもそんな稽古つけてもらってないですよ、って。それを知って、僕もびっくりするみたいな。

──志の輔さんの落語には、かなりオリジナルなくすぐり(ちょっとしたギャグや、独自の解釈)が入っていますよね。師匠によっては、元の形、つまり自分が入れたくすぐりを省いて教えるという人もいるそうです。志の輔さんの場合はどうなのですか?

方正:くすぐりを入れたものを稽古つけていただきました。志の輔師匠が何年もかけて研鑽を積まれ、キラキラのダイヤモンドのようにしたネタです。それをいただきました。何千万円もいただいたのと一緒ですよ。

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