芸能

後期高齢者の高田文夫氏「私は年長者が好きだ」 92歳・野末陳平、87歳・伊東四朗、「90歳」を演じる草笛光子…年長者に抱く畏敬の念

高田文夫氏が好きな年長者(イラスト/佐野文二郎)

高田文夫氏が好きな年長者(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、76歳の高田文夫氏が好きな年長者たちについて綴る。

 * * *
 放送と同じ様にこの雑誌もライブ感だけでやっている。この号が出る6月28日は私のラジオの35周年で今頃有楽町の東京国際フォーラム・ホールA(5千人収容)でいつもの様にバカな事だけ言って爺ィ・婆ァ・少しの若者相手に爆笑をとっている頃だろう。76歳になったばかりなのに前売即売というのは大したものなのだ。

 自慢ばかりですいません。『月刊TAKADA芸能笑学部 丸ごと一冊高田文夫』も発売二週間でたちまちの三刷です。自分で自分の人気にあきれ返っております。

 そこで後期高齢者の私の今回の本題。私は年長者が好きだという話だ。周りに居る若い者と違い、私は年長者には常に畏敬の念を持って接しています。その昔には立川談志やら永六輔、世間からは小難しい人だと思われていた人達のフトコロに入っていくのが好きだし、うまいのだ。どんな失礼な事をこっちが言っても心の中には「畏敬」だから大丈夫。そばに行くのをおびえて何もしゃべれないのが一番人として失礼なのだ。

「老婆は一日にして成らず」そのキャリアを認めるべきだ。私は今でも92歳の野末陳平とランチをし浅草ロック座へ目の保養に行く。相撲だって「現役」より「年寄」が好きだ。

 NHKでやっていた伊東四朗(87歳)の『老害の人』が終わっちゃってガッカリしていたが、この6月は新橋演舞場で一ヶ月間「熱海五郎一座」の舞台出演。伊東四朗が舞台に現われただけでホワ~~ンとおかしみのオーラに包まれる。多幸感とでも言うのか。演出の三宅裕司も何かあったら大変と細心の注意。東京喜劇のバトンは確かに渡された。

 映画の方で話題は「90歳」を演じる草笛光子。この美しさ、たしか小学生の頃TVが初めて茶の間に来た時、日本初の本当のバラエティ『光子の窓』で見ていたお方。いまだに主役。「次は100歳をやりたい」と言ってるとか。あの「窓」は当分閉じそうにない。

 そんな年増好きな私にドンピシャな番組がBSでも一番端の「12」で月曜夜9時。『鶴瓶ちゃんとサワコちゃん』。鶴瓶・阿川佐和子より年上の人をゲストに昔の話をきくのだがこれが面白い。中にはボケちゃって話のツジツマの合わない人も何人か。昨年10月スタートで第一回が由美かおる、そして中村メイコ、養老孟司、セルジオ越後、岩下志麻、小林旭。圧巻は芳村真理。あい変わらずおしゃれできれいなのだが「ピカソと5年前に食事した話」には一同「ン?」ADあわてて調べて鶴瓶に「1973年に死んでます」と耳打ち。鶴瓶思わず「死んどるやないかい!」トークもゲルニカだった。

※週刊ポスト2024年7月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

筒香が独占インタビューに応じ、日本復帰1年目を語った(撮影/藤岡雅樹)
「シーズン中は成績低迷で眠れず、食欲も減った」DeNA筒香嘉智が明かす“26年ぶり日本一”の舞台裏 「嫌われ者になることを恐れない強い組織になった」
NEWSポストセブン
テレビの“朝の顔”だった(左から小倉智昭さん、みのもんた)
みのもんた「朝のライバル」小倉智昭さんへの思いを語る 「共演NGなんて思ったことない」「一度でいいから一緒に飲みたかった」
週刊ポスト
陛下と共に、三笠宮さまと百合子さまの俳句集を読まれた雅子さま。「お孫さんのことをお詠みになったのかしら、かわいらしい句ですね」と話された(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
【61才の誕生日の決意】皇后雅子さま、また1つ歳を重ねられて「これからも国民の皆様の幸せを祈りながら…」 陛下と微笑む姿
女性セブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン