ライフ

「性的同意」について理解すべき4つのポイント 突き詰めれば「相手の気持ちに寄り添う」だけ、重要なのは“いつでも”「やめて」と言えること【女性医師が解説】

女性の性に寄り添ってきた富永喜代医師

女性の性に寄り添ってきた富永喜代医師

「性的同意」という概念をめぐり、「いったいどうしたらいいの?」という戸惑いの声が聞こえてくる。女性の性に寄り添ってきた富永喜代医師から、性的同意について学ぶ。【前後編の前編。後編を読む

「一緒にホテルについてきてくれたとか、はっきり嫌だと言われなかったとか。それで“セックスに同意してくれた”と思っている男性もいますが、女性からするとイヤだと思っていてもハッキリとした意思表示をしづらい場面が多々あります。性的同意という言葉が広まるにつれて、何が“同意”で何が“不同意”になるか分からず混乱しているという男性も多いでしょう。しかし、難しく考える必要はまったくありません」

 そう話すのは、富永ペインクリニック院長の富永喜代氏。自身が運営するフェイスブックのコミュニティ「富永喜代の秘密の部屋」は会員数1万6000人を擁し、性にまつわる赤裸々な議論が交わされている。そんな富永氏が新刊『女医が導く いちばんやさしいセックス』(扶桑社)で詳述しているのが、「性的同意」だ。

「いまなお男性優位のセックスがまかり通っており、私のフェイスブックのコミュニティでも男性の一方的なセックスに対する切実な抗議が多数上がってきました。本来、性的同意を取り交わすのに特別なことは必要なく、突き詰めれば『相手の気持ちに寄り添う』だけなのです。その点を思い出してほしいという願いを本書に込めました」(富永氏)

 2023年7月に刑法が改正され、新たに「不同意性交等罪」が追加。グラディアトル法律事務所の若林翔弁護士は、これによって性加害の範囲が大幅に広がったと指摘する。

「強制性交等罪が成立する条件には『暴行・脅迫』、準強制性交等罪が成立する条件には『心神喪失・抗拒不能』がありますが、不同意性交等罪は、『同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせたり、その状態にあることを利用して』いることと定められおり、暴行・脅迫などがない場合でも本罪が成立します。不同意性交等罪の法定刑は5年以上の有期禁固刑となります」

関連記事

トピックス

出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
水原一平の賭博スキャンダルを描くドラマが「実現間近」…大谷翔平サイドが恐れる「実名での映像化」、注目される「日本での公開可能性」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン
「最高の総理」ランキング1位に選ばれた吉田茂氏(時事通信フォト)
《戦後80年》政治家・官僚・評論家が選ぶ「最高の総理」「最低の総理」ランキング 圧倒的に評価が高かったのは吉田茂氏、2位は田中角栄氏
週刊ポスト
コンサートでは歌唱当時の衣装、振り付けを再現
南野陽子デビュー40周年記念ツアー初日に密着 当時の衣装と振り付けを再現「初めて曲を聞いた当時の思い出を重ねながら見ていただけると嬉しいです」
週刊ポスト
”薬物密輸”の疑いで逮捕された君島かれん容疑者(本人SNSより)
《28歳ギャルダンサーに“ケタミン密輸”疑い》SNSフォロワー10万人超えの君島かれん容疑者が逮捕 吐露していた“過去の過ち”「ガンジャで捕まりたかったな…」
NEWSポストセブン
公選法違反の疑いで刑事告訴され、書類送検された斎藤知事(左:時事通信フォト)と折田楓氏(右:本人SNS)
“公選法違反疑惑”「メルチュ」折田楓氏の名前が行政SNS事業から消えていた  広島市の担当者が明かした“入札のウラ側”《過去には5年連続コンペ落札》
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト