「ちあきなおみを愛しています。情感こもった歌唱は他を圧します。悲しいにつけ、寂しいにつけ、ちあきなおみさんの歌声、歌心で何度となく癒やされました。ただただ感謝あるのみ。有り難う、ちあきなおみさん」(時事通信フォト)

本誌・週刊ポストの取材にちあきへの熱烈なラブコールを寄せた西田敏行。「ちあきなおみを愛しています。情感こもった歌唱は他を圧します。悲しいにつけ、寂しいにつけ、ちあきなおみさんの歌声、歌心で何度となく癒やされました。ただただ感謝あるのみ。有り難う、ちあきなおみさん」(時事通信フォト)

歌詞を全曲書き写した

 裏社会事情に精通するフリーライターの鈴木智彦(58)は、サブスク解禁以来、毎日、スマホでちあきの曲ばかり聴き続けているという。

「(サブスク解禁は)待ちに待っておりました。初めて聴いた『喝采』がヒットした1972年はまだ6歳でしたが、札幌生まれの私にとって、地元で冬季五輪が開かれたこの年の記憶だけは鮮明です。

 当時、一緒に『喝采』のレコードを買いに行った父親が、『日本語がわからない外国人に歌詞を訳して教えてやりたい』と力説していました」

 以来、長ずるにつれ、ちあきの表現する世界観の虜になった。

「ちあきなおみは歌詞に取り憑かれてしまう“憑依型歌手”なんです。それは技術ではなく、持って生まれた才だと思う。

 ある時、取材で付き合いのあった暴力団幹部が検挙されたので拘置所に面会に行ったら、『ちあきなおみが聴きたい』という。曲は届けられないので、歌詞を全曲分、正確に書き写して手紙で渡したこともあります」

 ちあきのヒット曲には『四つのお願い』など明るい曲調もあるが、鈴木は「暗いほうが彼女に合っている」と評する。

「『夜へ急ぐ人』(1977年)を歌う彼女は、“狂気”を見事に演じていたんじゃないでしょうか。歌手がただ歌うだけでは表現できないものを目の当たりにして、本当は明るいことより暗いことのほうが多い、人生の真髄を突かれた気がしました」

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