これが、超高齢化社会に突入した日本の足元で起きている現実だ。そしてこれらのトラブルの原因は結局、若年層VS高齢者という形で語られ「分断」の象徴として認識されていく。しかし、日々上昇する物価に囲まれて、電気代を払うのも不安にかられている高齢者がいる、という事実から目を背けずに考えれば、この問題は分断でもなんでもなく、福祉的な問題を孕んだトラブル、という考え方もできよう。
今後、こういったトラブルは私たちの身の回りで頻発するはずだが、きっかけが高齢者だからといって、単純に世代間の違いが争いのもとだという思い込みは控えたい。誰しもが、必ず高齢者になるからであり、その時、自身の経済状況がどうなっているかは、誰にもわからないのだ。何か良い方策はないものか、誰もがそう考えているはずなのだが、分断を示す事象ばかりが相次ぎ、その解決策は、現実世界では一向に見えてこない。