田村被告が住んでいた家
初公判の検察側冒頭陳述によれば、瑠奈被告は中学時代から不登校となり、仕事をせず実家で暮らし続ける娘を“お嬢さん”と呼び、その“お嬢さん”こそが一家の最優先事項だったという。瑠奈被告は“置いた物の向きが違っていた”など、些細なことで両親を責めた。浩子被告は、「熟女系風俗にでも売り飛ばせばいい。とっとと売れや」などと怒鳴られたり、「お嬢さんの時間を無駄にするな。奴隷の立場を弁(わきま)えて、無駄なものに金を使うな」という誓約書を書く羽目になった、それでも娘を叱らなかったという。
修被告のことを瑠奈被告は「ドライバーさん」と呼び、クラブや怪談バーへの送迎に徹夜で付き合わせていた。運転中の修被告の首を絞めて叱責するなどしていたが、やはり怒らず謝っていたという。田村家において、瑠奈被告は圧倒的な立場だった。家に瑠奈被告の所有物があふれかえり、奴隷扱いされても、「瑠奈ファースト」の親子関係が形成されたと指摘された。