ビジネス

JR東日本「みどりの窓口」常設で“初めて復活”へ 2021年からの削減策で利用者の不満殺到、方針転換

閉鎖されたみどりの窓口が「常設」で復活する

2021年の大量閉鎖開始以降で、みどりの窓口が「常設」で復活するのは初

 3年前から削減が進められてきたJR東日本の「みどりの窓口」。外国人観光客の増加などの要因もあり長い行列ができて利用者の不満が募っていたが、今回、大きな“方針転換”がされることがわかった。2021年の「削減策」発表以降はじめて、常設のみどりの窓口が復活することがNEWSポストセブンの取材で判明した。

 10月1日から常設のみどりの窓口が復活するのは、常磐線が走る北千住駅(東京・足立区)。

 経緯を振り返ろう。

 JR東日本は2021年、4年後の2025年までに約7割の「みどりの窓口」を閉鎖することを発表した。オペレーターと遠隔で会話しながら乗車券などを購入できる券売機を増やすなどして、人件費がかかる「みどりの窓口」を閉鎖する方針だった。

 ターミナル駅や一路線内の全ての窓口を閉鎖する事例もあり、2024年4月には209窓口にまで減っていた。その影響で、学生の定期券購入時期や繁忙期、運休で払い戻し客が多い際などに、みどりの窓口に長い行列ができるのが風物詩となっていた。

 激しい混雑で、多くの利用者から苦情が寄せられる状況に──そうした中、JR東日本は2024年5月、閉鎖計画の「凍結」を発表したのだ。さらに、この夏には北千住を含めて「臨時窓口」が一部の駅で開設・増設されたが、「常設」で復活するのは今回の北千住駅が初めてとなる。

 同駅の1日平均の乗車人数はJR東管区内で10位の約19万人(2023年度)。それより上位でみどりの窓口がない駅は存在しない。JR東日本関係者によると北千住では既に現地で開設のための準備を進めているという。

 JR東日本にみどりの窓口復活について聞くと、「検討を進めていることは事実ですが、詳細については決まり次第お知らせします」と回答。北千住駅を選んだ理由については「私鉄との結節点である等の周辺環境、周辺駅みどりの窓口における混雑緩和、話せる指定席券売機の対応力向上等を勘案し、年間を通じて開設できる環境が整っていることから、窓口常設の検討を進めております」(コーポレート・コミュニケーション部門)と答えた。

 鉄道ジャーナリストの梅原淳氏が言う。

「そもそもJR東日本によるみどりの7割という大規模な削減には無理があった可能性があります。さらに、チケットレスサービスがJR各社で入り組んでいるためまだまだ窓口にも需要があるので、指定席券売機やチケットレスサービスで完全に置き換えることができるようになってから削減していってもよかったのではないでしょうか。なお、みどりの窓口の混雑が激しくなったために削減の見直しが実施されたことは評価できます」

 窓口再開が利用者のためになることを願うばかりだ。

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン