「伝説の選挙参謀」と呼ばれる選挙プランナーの藤川晋之助氏 。高市早苗氏をバックアップ (時事通信フォト)
名簿には小林鷹之・前経済安保相の名前がある。
「令和臨調は経営者や学識者の集まりですが、スタンスは政府寄り。裏で財務省が音頭を取っているとされます。その提言内容は、『コロナ期の財政出動で債務残高が増大したから増税が必要』といったものです」(高橋氏)
小林氏は旧大蔵省の平成11年入省組だ。
「1つ上の10年組は、ノーパンしゃぶしゃぶのスキャンダル直後だったため人材が他省に流れ、『不作だった』と言われたが、11年組はその反動で秀才が揃ったと言われています。今年1月の能登半島地震で現地入りして現場指揮の一翼を担った吉住秀夫・内閣参事官(当時、現・理財局財政投融資総括課長)らが同期。そのなかでも小林氏は“財務省に残っていたらエリート街道を走っていただろう”と評されている」(全国紙経済部デスク)
政界に転じてからも古巣との関係は深く、本誌・週刊ポスト2024年8月30日発売号では、小林氏が財務省の大物OBから多額の献金を受けていることも報じた。
総裁候補では他にも、加藤勝信・元官房長官が財務省出身で、父・義郎氏の大蔵大臣在任時に秘書官だった林芳正・官房長官もいる。いずれも令和臨調に入っておらず、総裁選の論戦では「経済あっての財政」(林氏)、「財政健全化は常に最優先ということではない」(加藤氏)と財務省と距離を取る姿勢に見えるが、高橋氏はこう分析する。
「総裁選で緊縮財政を唱えると評判が落ちるという計算なだけで、積極財政路線とは言えない。せいぜい“消極財政”といったところでしょう」
こうした候補たちが、決選投票に進めなかった時に高市氏に乗るとは考えにくい。財務省による“高市包囲網”が着々と形成されている。