正面玄関ガラス扉に掲示がある(著者撮影)

正面玄関ガラス扉に掲示がある(著者撮影)

直撃に幹部は掲載を認めた

 対応した幹部は、まず告知を掲示していた事実は認めた。以下、幹部との一問一答を記す。

──暴力団は社会から蛇蝎のように嫌われている。あの告知を出した目的は、厳しい目を少しでも和らげるための人気取りか?

幹部「誰にどう解釈されてもかまわない。地域の安全を考えるだけだ」

──断固たる処置とは、暴力的な制裁を加えるという意味か? それは恫喝ではないのか?

幹部「ノーコメントだ」

──告知を撤去したのは警察の要望か? それとも上部団体の指示か? 違うなら理由を教えて欲しい。

幹部「その件に関してもコメントできない」

 残念ながら、ほとんど回答は得られなかった。が、彼らの行動に合理性はある。暴力団の経済力は、本拠とするエリアの経済規模に比例する。縄張り内で安心して暮らせるように動くのは、暴力団にとってもメリットがあるのだ。ただし業界内部からは「余計なことを言いやがって」と批判されるだろう。なにしろ裏社会は案外狭い。強盗団の当事者に現役組員がいなくても、きっとどこかで暴力団に繋がる。

 キジも鳴かずば撃たれまい──。

 はっきりと声を上げれば、世間からだって批判される。にもかかわらず、リスクを承知でメッセージを出したのは、これが強盗の抑止力になるなら、世間に、警察に、業界にどう思われてもかまわないと決断したからなのか。暴力団が実名を出して強盗にプレッシャーをかけようとするほど、今回の連続強盗事件は異常ということなのか。

 とはいえ、まだ首謀者は捕まっておらず、すべては憶測である。一刻も早く事件を解決し、全容を解明しなければならない。その時、身内から逮捕者を出し、碑文谷一家の告知が茶番にならないよう祈っている。

◆取材・文/鈴木智彦(フリーライター)

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