ライフ

《齋藤孝さん厳選6つ》「もうダメだ…」と思ったときに前を向くきっかけをくれる「偉人のことば」 

偉人のことばを紹介してくれた教育学者の齋藤孝さん

偉人のことばを紹介した教育学者の齋藤孝さん

 2024年ももうすぐ終わり。今年もいろいろあったと振り返る時期ではないだろうか。だれしも、出口の見つからない暗闇に追い込まれることがある。教育学者の齋藤孝さんは、そんなとき「偉人のことばたちが自分の味方をしてくれる」という。そこで齋藤さんが上梓した単行本『ドラえもんに学ぶ偉人のことば』より、「偉人のことば6選」を紹介する(一部再編集)。 

 * * * 

【偉人のことば1】 「しあわせだから笑っているのではない。 むしろぼくは、笑うからしあわせなのだ、と言いたい。」 

――アラン 

 ネガティブな感情に振り回されないためには、自分で自分の気持ちを切り換えることが大切。フランスの哲学者で『幸福論』の著者アランは、「しあわせ」と「笑う」ことの順番を逆にすることを提唱していて、悲しくなるのは気分であり、楽しくなるのは意志であると言っています。辛いときこそ笑ってみる。気持ちが変われば、見える景色も思考も変わるはず! 

【偉人のことば2】 「自分にとって大切なことのために闘ってください。 ただし、他の人が仲間に加わりたいと思うようなやり方で。」 

――ルース・ベイダー・ギンズバーグ 

 闘うときに、誰かを責めたり非難したりすると、かえって味方を減らすことになります。必要なのは、共に悪口を言う仲間ではなく、共に闘う仲間。アメリカで連邦最高裁判事を務め、もっとも尊敬される人としてアメリカ国民に愛されるギンズバーグは、弱者のために闘った人です。自分にとって大切なものを手放す必要はありません。共感を得られるような闘い方であれば、おのずと世界は変わります。 

【偉人のことば3】 「今の自分を認める勇気を持つ者だけが、 本当に強い人間になれるのだ。」 

――アドラー 

日本でも人気の「アドラー心理学」では、どんな自分も認めて受け入れることから始めようと言っています。「ダメな自分」を否定するのではなく、「ダメな自分」を受け入れる。マイナスからのスタートではなく、ゼロベースに立ったところから次の一歩を踏み出すのです。ダメなところが早々に見つかってよかった! という気持ちで、前に進みましょう。 

【偉人のことば4】 「人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない」 

――ヘミングウェイ 

 アメリカの小説家ヘミングウェイの代表作『老人と海』の一節。釣り上げた魚の大半をサメに食べられてしまった漁師が、自分に言い聞かせた言葉です。地球の歴史では多くの生きものが絶滅しましたが、人類が生き残っているのは、それぞれの時代で知恵を出し合い試行錯誤してきたからこそ。試行錯誤している間は、少なくとも「負け」ではありません。 

【偉人のことば5】 「人生最大の栄光は一度も転ばないことではなく、 転ぶたびに立ち上がることにある。」 

――ネルソン・マンデラ 

 マンデラは、南アフリカの黒人解放運動の指導者。獄中生活を経験したマンデラは、釈放後に差別撤廃を実現し、大統領になりました。絶望的な状況にあっても、そのたびに立ち上がって目標を達成したマンデラ。転んでも立ち上がる力があれば、失敗も絶望も怖くありません。どんなに小さなことでも、立ち上がった経験や記憶があるはず。思い出して立ち上がりましょう! 

【偉人のことば6】 「人の一生は重荷を負うて遠き道をゆくがごとし、 いそぐべからず。」 

――徳川家康 

 家康は信長・秀吉を武力で倒そうとはせず、じっとチャンスを待ち、二人が死んだ後に天下を取りました。ものごとは、焦るとうまくいきません。急がず、気長に、様子を見ながらタイミングをはかることも大切です。辛くて苦しい時間は永遠には続きません。もっとも効果的・効率的に現状を打開できる時機をうかがうことも必要です。 

 いかがでしたでしょうか? 歴史に名を残した偉人たちが残した言葉には、時代を超えて人を励まし、勇気を与え、心の支えとなる力が宿っています。偉人たちも私たちと同様に、困難や絶望を経験し、その中で紡がれた言葉だからこそ、私たちの心に深く響くのでしょう。これらの言葉を胸に、少しでも心に灯りを取り戻し、再び前を向くきっかけとなったら幸いです。 

◆参考資料 
『キミの心と頭を強くする! ドラえもんに学ぶ偉人のことば』(藤子・F・不二雄 原作、齋藤孝 著) 
ソクラテス、孔子、ヘレン・ケラー、アドラー、金子みすゞ……古今東西の偉人のことばを、ドラえもんの名場面コマとともに齋藤孝先生の解説で紹介する。

関連記事

トピックス

中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
皇室に関する悪質なショート動画が拡散 悠仁さまについての陰謀論、佳子さまのAI生成動画…相次ぐデマ投稿 宮内庁は新たな広報室長を起用し、毅然とした対応へ
女性セブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト
「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン