卒業アルバムの寄せ書き

長谷さんからの寄せ書き

 両容疑者を知る人物はこう明かす。

「あんまり人と関わってるイメージがないです。おとなしい子といるか、ひとりで行動しているのをよく見かけました。何を考えているか分からず、フシギちゃんみたいなイメージでした。

 今回の事件、亜麻(八木原容疑者)だけだったらここまではなっていないと思います。大人しい性格だったので。葉音(川村容疑者)とか周りの人の影響もあってこうなっちゃったと思う」
 実際に、警察による取り調べで、八木原容疑者は「直接手を出さなかったが、他の容疑者の暴行を笑ったり、あおったりした」という旨の供述をしていることがわかっている。

 暴行される恋人を見ながら八木原容疑者は何を考えていたのだろうか。長谷さんは高校の卒業式で代表として以下のような答辞を読んでいた。

《高校で過ごしたかけがえのない3年間の思い出は貴重な財産になる。思い出を胸に不確かな未来に向かって前向きに進んでいきます》

 なぜ長谷さんは暴行を受けた末、命を落とさねばならなかったのか。被害者の長谷さんを知る人物は揃って無念さを口にする。

「長谷くんとはクラスで一緒でした。頭がとにかく良いし、みんなからも尊敬されるような人で、いじめられるとかまったくない人だったからびっくりです。真面目な感じで、恋愛には興味がないみたいな。本当に頭が良くて釧路でいちばんの進学校に進学しました。私も友達もよく勉強を教えてもらっていました。

 特に国語が得意で本当にわかりやすく教えてもらった記憶があります。だから今回の事件、みんなショックで、『なんで長谷くんが…』とグループラインで話していました」

 高校卒業から3年も経たず帰らぬ人となってしまった長谷さん。その無念は計り知れないだろう。一刻も早い事件の真相究明が待たれる。

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