芸能

『THE MANZAI』『THE W』『細かすぎて』…12月上旬にお笑い特番ラッシュ「M-1を避けるため」だけじゃない各局の戦略

年末恒例のお笑い特番『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(番組公式サイトより)

年末恒例のお笑い特番『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(番組公式サイトより)

 12月に入り、テレビ局はさまざまな特番を企画している。中でも12月上旬にお笑い特番の放送が目立っている。年末には最大の注目番組『M-1グランプリ2024』があることから、各局ともそれを避けるための事情もあるようだが、それだけではないようだ。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

* * *

 7日(土)21時から『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系)、8日(日)19時から『THE MANZAI 2024マスターズ』(フジテレビ系)と『うわっ!ダマされた大賞2024冬』(日本テレビ系)、10日(火)19時から『女芸人No.1決定戦THE W 2024』(日本テレビ系)と年末恒例のお笑い特番が立て続けに放送されます。

 これ以外でも、12月1日19時から『誰も知らない明石家さんま』(日本テレビ系)、12月2日19時から『モノマネMONSTER』(日本テレビ系)が放送されました。前者はさんまさんをフィーチャーした年に一度の特番で、後者は今年新たに立ち上げたモノマネ特番であり、どちらも日本テレビが局をあげた大型特番です。

 年末の大型お笑い特番が12月上旬に集中していることがわかるのではないでしょうか。その背景として大きいのが、22日に生放送される『M-1グランプリ2024』(ABC・テレビ朝日系)。例年、お笑い特番では最高レベルの高視聴率を記録し続け、今年も15時からの敗者復活戦と合わせて7時間超にわたる生放送が予定されています。

 業界内では「『M-1グランプリ』に近い放送日程では視聴率だけでなく番宣やネット上などの話題性でも負けてしまうため、お笑いの大型特番は避ける」のがセオリー。実際、12月下旬は特番全盛の時期であるにもかかわらず、レギュラー番組の拡大版以外では『爆笑!明石家さんまのご長寿グランプリ2024』(TBS系)が放送される程度に留まっています。

 若干の前後こそあれ、昨年もほぼ同じ傾向でした。「『M-1グランプリ』の影響で局をあげたお笑い特番が埋もれてしまわないように、年末の大型特番ムードを感じさせるギリギリの12月上旬に編成している」ことがわかるのではないでしょうか。

 ただ、これらの特番は単に『M-1グランプリ』を避けているだけではありません。さまざまな背景があり、工夫を凝らすことで視聴率や反響を得ようとしています。その背景や工夫にはどんなものがあるのか。さらに、昨年から年末お笑い特番の編成に影響を与えているもう1つの大型特番についても掘り下げていきます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン