国内

《長野3人死傷事件でも逮捕の決め手に》容疑者の足取りを追う「リレー捜査」はどのように行われるのか? 元刑事が振り返る「歌舞伎町で起きた銃殺事件」

【長野3人死傷事件】送検のため、長野県警長野中央署を出る矢口雄資容疑者(中央)1月27日(時事通信フォト)

【長野3人死傷事件】送検のため、長野県警長野中央署を出る矢口雄資容疑者(中央)1月27日(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、北九州中学生殺傷事件や長野3人死傷事件で容疑者逮捕へ繋がった「リレー捜査」について。

 * * *
 長野市のJR長野駅前で男女3人が殺傷された事件で、1月26日、無職の矢口雄資容疑者が殺人未遂容疑で長野県警に逮捕された。矢口容疑者は駅構内を数十分以上うろついた後、駅の階段付近で被害者男性の胸と背中を刺して殺害。近くでバスを待っていた男女2人を背後から襲った。その後、現場から徒歩で逃げる姿が防犯カメラの映像などで確認され、容疑者の画像が公開されていた。

 県警はさらに新たな画像を公開し、情報提供を呼び掛けた。画像の容疑者は頭に白っぽい布を巻き、メガネをかけ、長く特徴的なあごヒゲをたくわえていた。しかし逮捕された容疑者にはひげもなく、短髪。メガネもかけていなかった。容疑者が見た目の印象を変えて、特定されるのを避けたのだろう。それでも容疑者はすぐに特定された。画像公開から多くの情報提供も集まったというが、容疑者の特定の決め手となったのは防犯カメラによる「リレー捜査」だった。

 長野県警は駅周辺の防犯カメラ映像などをつなぐリレー捜査を行った。リレー捜査は、昨今の刑事ドラマや映画などでもよく描かれている捜査手法だ。ドラマなどで現場周辺を捜査する刑事たちが、店や路地などに取り付けられた防犯カメラや駐車中の車の車載カメラを確認している、アレだ。元刑事は「リレー捜査では容疑者の外見を特定し、周辺のカメラの映像をつなぎ合わせて移動方向をたどる。まず探すのは防犯カメラだ」という。この捜査には犯行後の容疑者の足取りを追う「後足捜査」と、現場に向かう容疑者の足取りをさかのぼる「前足捜査」という手法もある。今回、容疑者特定の決定打になったのは前足捜査だ。

防犯カメラシステム導入間もない時期の「リレー捜査」

 今ではどこにでも設置されている防犯カメラだが、繁華街周辺に取り付けられるようになったのは2000年代に入ってからだ。その頃の歌舞伎町では、中国人残留孤児の子供らを中心として結成されたストリートギャングの怒羅権が勢力を拡大させていた。さらに出身地ごとにグループを形成した中国人たちがぶつかりあい、その数は新宿にいる暴力団の数を超えるまでになっていたといわれている。

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ブラジルにある大学の法学部に通うアナ・パウラ・ヴェローゾ・フェルナンデス(Xより)
《ブラジルが震撼した女子大生シリアルキラー》サンドイッチ、コーヒー、ケーキ、煮込み料理、ミルクシェーク…5か月で4人を毒殺した狡猾な手口、殺人依頼の隠語は“卒業論文”
NEWSポストセブン
9月6日に成年式を迎え、成年皇族としての公務を本格的に開始した秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
スマッシュ「球速200キロ超え」も!? 悠仁さまと同じバドミントンサークルの学生が「球が速くなっていて驚いた」と証言
週刊ポスト
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン