国際情報

《アメリカ物価高に絶望》「日本の2倍、いや3倍くらい高い」大工、フードデリバリー、ライドシェア、YouTube…仕事掛け持ちでも“家族4人キッツキツ生活”

不安定なアメリカのガソリン価格(202年11月、「地獄海外難民」氏のXより)

不安定なアメリカのガソリン価格(2022年11月、「地獄海外難民」氏のXより)

 2025年もさまざまなモノやサービスの値上げの動きが広がっている。物価上昇の長期化は、アメリカでも深刻な問題になっているという。

「アメリカの物価は日本の2倍、いや3倍くらい高い」と明かすのは、アメリカ人女性との結婚を機に米国に移住し、家族4人でニューヨークに住むYouTuber「地獄海外難民」氏。大工組合に所属し、建設会社などへ見習い大工として派遣され、働いている。

 現在、幼い子ども2人を含む4人家族。一家の毎月の支出は「約72万円」にものぼり、借金は450万円に膨らんでいるというが、それでも“まだマシ”なのだとか。著書『底辺の大工、ヤバいアメリカで生きのびる絶望の中で見つけた「自分を見失わない」方法』(KADOKAWA)で明かされる、赤裸々な“支出”の内訳とは。(同書より一部抜粋して再構成)【全3回の第2回。第1回を読む】

 * * *

毎月72万円かかるNYでの生活費

 日本でも物価高で苦しんでいる方が多いと思いますが、アメリカでは多くの人が日本以上の急激な物価高に苦しんでいます。

 1か月生活するのにどれくらいかかるのか、「難民」家のお金の内訳を紹介します。

 まず食費ですが、僕が2019年に移住した頃から、アメリカの食費の高さには驚かされてきました。

 その後、パンデミックが始まると、食費はどんどん高騰していきます。2023年頃までは月に1000ドル(約15万円 ※1ドル=150円換算、書籍執筆時)くらいが食費に消えていましたが、2024年の前半からは少しずつ落ち着いてきました。

 現在の食費は、家族4人(大人2人、幼児1人。乳児1人は食費がかからず)と猫1匹で、月に700ドル(10万5000円)程度になります。

 家賃は月に1900ドル(28万5000円)です。

 僕がアメリカに移住してきた当時の家賃は1500ドルでした。新型コロナウイルスが大流行して以降、ニューヨークシティからこの地域にたくさんの人が流入してきました。人が密集する地域を怖がる人が多かったからです。

 そのため、ここの人口が急増し、しかも高収入なシティの人たちが押し寄せてきたために家賃や不動産価格が一気に上がりました。その結果、3?4年の間に400ドル(約6万円)も家賃が上がっています

 ただ、1900ドルはこの地域ではかなり安い方です。YouTubeでは相変わらず「『難民』のくせに豪邸に住んでいる!」とお怒りのコメントをいただきますが、細かなところはボロボロだし、壁が薄いのでお隣の音は丸聞こえです。

 次に光熱費は、合計で月300ドル(4万5000円)です。ニューヨークの冬は気温がマイナス15度になることもある地獄の寒さで、パイプが破裂してしまうのを防ぐため暖房を24時間つけっぱなしにしないといけないので、光熱費は異常に高くなります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
新体操フェアリージャパンのパワハラ問題 日本体操協会「第三者機関による評価報告」が“非公表”の不可解 スポーツ庁も「一般論として外部への公表をするよう示してきた」と指摘
NEWSポストセブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
代理人・バレロ氏(右)には大谷翔平も信頼を寄せている(時事通信フォト)
大谷翔平が巻き込まれた「豪華ハワイ別荘」訴訟トラブル ビッグビジネスに走る代理人・バレロ氏の“魂胆”と大谷が“絶大なる信頼”を置く理由
週刊ポスト
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
NEWSポストセブン