芸能

高田文夫氏が明かす「七代目三遊亭円楽襲名パーティ」の様子 千鳥足の父・好楽が豪華列席者にトンチンカンインタビュー、昇太には「今日はいくら包んで来たの」

にぎやかで豪華だった七代目三遊亭円楽襲名パーティ(イラスト/佐野文二郎)

にぎやかで豪華だった七代目三遊亭円楽襲名パーティ(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は七代目三遊亭円楽襲名パーティについて綴る。

 * * *
 演芸界の人ばかりに会ってる気がする。マスコミでも報じられたからご存じの方も多いと思うが王楽が“七代目三遊亭円楽”を襲名。

 父は『笑点』の好楽。開宴のあいさつから、父急ピッチで飲み出し、会場を『BS笑点』のカメラひき連れインタビューだという。落語界というのは真打昇進やら襲名披露やらやたらパーティの多い業界だが、これほどにぎやかで豪華なパーティは久しぶり。およそ600人が列席。上座テーブルには木久扇師、文枝師(元・三枝)、小遊三ら。私のテーブルは米助、昇太、私、志の輔、談春ら。一番下の席をのぞけば神田伯山、玉川太福、柳亭小痴楽、桂宮治ら若手人気者がズラリ。

 千鳥足でマイクを持った一番嬉しそうな父好楽がナイツ、おぼん・こぼん等にトンチンカンインタビュー。昇太のところへ来て「ねぇねぇ昇ちゃん、今日はいくら包んで来たの」。アハハ。隣の私に肩を組み「ふみおちゃんよく来てくれたネ。去年私の“しのぶ”出てくれたもんねー」だって。

 そうこうしているうちに木久扇の息子、木久蔵(本物の与太郎)がニヤニヤしてやってきて、「ねぇねぇ教えて、うちの父88歳になるんだけど“演芸界最長老”って言っちゃっていいの?」(自分で調べて何とでも言え)。そこへもう一人の息子、三平やってきたから「最近笑点で見かけないなァ」と言ったら「そんな事より“今年三平生誕100年”です。もっと吹聴して下さいよ」「知ってるよ、上方の桂米朝だって100年だよ。あっちは人間国宝だぞ」「どうもすいません」だと。(余談ですがこの度出版された『桂米朝が遺した宝もの』という本が写真資料もタップリでいい本)。

 米助が志の輔に訊いている。「お弟子さんと一緒にのどの薬飲んでるCMを中山ケンミャクンとマッチとよく見るんだけど、志のさんのもあれはACなの?」。志の輔小声で「リューカクサン」。

 円楽党のパーティに立川流が大締め。指名された志の輔「我々立川流も談志という宗教法人から晴れて社団法人になりまして」にドッカーン。いい会だった。

 お祝いの次は追悼。昨年亡くなった山藤章二画伯をしのび、ゆかりの深い紀伊國屋ホールで「寄席・山藤亭」。後半トークするは私、小遊三、米助、松尾貴史、立川談春。飛び入りで同じタイガースファン松村邦洋。これもいい会。

 数日後お祝いの「小倉久寛古稀ライブ」。三宅裕司(73歳)とのコント5本。ゲストの戸田恵子とフランク・シナトラを歌う小倉。あのフォルムで心は二枚目。

※週刊ポスト2025年3月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン