国内

《死刑当日告知裁判》「早朝、革靴の足音で “その瞬間”への恐怖が増す」死刑囚と接した牧師が明かす“執行前の実態”「精神的な負担から睡眠薬頼りに、顔は腫れぼったく面影が消える」

実際の告知は執行当日、1〜2時間前に行われることが基本となっている

東京拘置所。実際の告知は執行当日、1〜2時間前に行われることが基本となっている(時事通信フォト)

 死刑執行が当日に告知される現在の制度運用は、刑罰に関する適正な手続きを保障した憲法に違反していると、死刑囚2人が国を訴えていた裁判。2審の大阪高裁は3月17日、死刑囚の訴えを退けた1審判決の一部を取り消して大阪地方裁判所に審理を差し戻した。

 今後の審理次第では、当日ではなく数日前に執行を告知されるように制度が変わる可能性もある。

「この裁判は死刑囚2人が、当日の告知による執行を受ける義務がないことの確認や、賠償を求める訴えを起こしたものです。昨年4月、1審の大阪地裁は『確定した判決を実質的に無意味にすることを求めるもので不適法だ』と、裁判で争うことはできないと“門前払い”していたものでした。

 しかし、2審の黒野功久裁判長は『仮に現在の運用が憲法に違反するのであれば、前日までに告知して適法に執行することはできる。当日告知の死刑執行を受ける義務があるかどうか、裁判で確認を求めることは適切だ』と、審理を差し戻しました」(司法担当記者)

 死刑制度は法務大臣による命令から5日以内の執行が法律で定められているが、実際の告知は執行当日、1〜2時間前に行われることが基本となっている。その理由として、法務省は従来「死刑囚の心情の安定を保つため」と説明している。しかし、実際の死刑囚が訴えを起こしたということから見れば、当日告知では執行までの準備ができず、心情の安定を保つことにはつながっていないということだろう。

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト