東京拘置所内の刑場(法務省/AP/AFLO)

東京拘置所内の刑場(法務省/AP/AFLO)

 

「1960年代には執行の2、3日前に告知されていたこともありました。しかし執行前に自殺した死刑囚がいたことから、現在の当日朝の告知が定着していったようです。昔は数日前の告知だったため、最後に会いたい人に会えることもあった。それが変更されてしまったことを知って、不公平に感じる死刑囚も多いでしょう」

 そしてこう話した。

「死刑というのは『2回殺される』とよく言います。いつ執行されるか分からない状態で収容されることで殺されるほどのつらい状況におかれ、実際に執行されることで二度の死を迎えるという考え方です。 

 彼らの心情としては、すでに一度殺されている。二度目にはせめて遺書などをゆっくり考える時間が欲しくなるのでしょう。その猶予があるのとないのとでは、その後の死の迎え方にも大きく違いがあります。

 死刑囚を許せない遺族がたくさんいらっしゃることも理解できます。ただ、告知から数日を与える、それくらいは認められても良いと考えています。心から反省している死刑囚だって多くいるのですから」(進藤氏)
 
 死刑囚の弁護団は会見を受け、司法担当記者はこう解説する。

「差し戻しを『スタートラインに立った』と表現したように、死刑制度の運用見直しはこれからの議論次第です。しかし『差し戻し』を契機に、これまでの当日告知の制度への法曹界や国民の眼差しが変わる可能性を大きくはらんでいます」(前出・司法担当記者)

「死刑囚の権利」を問う裁判。事件の被害者遺族側からすれば、今回の判決について、被害者は告知もなくいきなり命を奪われたのになぜ死刑囚の権利ばかりが取り沙汰されるのかという思いもあるだろう。

 裁判の行方に注目が集まる。

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