スポーツ

《史上最速綱取りに挑む大関・大の里》序盤の難敵は“同じミレニアム世代”の叩き上げ3世力士・王鵬「大の里へのライバル心は半端ではない」の声

大の里の調子がイマイチ上がってこない(時事通信フォト)

大の里の調子がイマイチ上がってこない(時事通信フォト)

 初土俵から所要13場所での史上最速の横綱昇進を目指す大関・大の里。ひとり横綱の豊昇龍が新横綱場所(3月場所)で金星を3個配給するなどして途中休場となったことに加え、8月の「大阪・関西万博場所」や10月の「ロンドン公演」といった国技・大相撲を世界にアピールするチャンスに日本出身横綱を誕生させたいという追い風が吹いている。

 そんな中で、綱取り場所(5月11日初日)が始まる。

 ところが、大の里の調子がイマイチ上がってこない。5月1日の二所ノ関一門の連合稽古には体調不良で欠席し、翌2日の稽古総見でも16番とって6勝10敗という内容だった。横綱と大関との対戦で、豊昇龍には1勝8敗、琴桜とは5勝2敗だった。協会関係者が言う。

「上半身と下半身がバラバラで、明らかに稽古不足です。一門の連合稽古の欠席も仮病を疑う声があったほど。巡業でも稽古量が少なく、豊昇龍から“横綱、大関は若い者に稽古で胸を出してやらないといけないんだ”と説教されていた。

 巡業で熱心に稽古をしたのは師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が巡業担当だった茨城・鉾田市(4月17日)での巡業くらいでは。ある親方は“あれだけ稽古しないで本場所で勝つのが不思議”と首を傾げていたが、大の里自身、本場所で結果を出せるタイプと思っているようです」

 日本出身横綱への期待がかかる大の里だが、昨年11月の新大関場所から9勝、10勝と優勝争いに絡めず、3月場所も優勝したが12勝止まりだった。若手親方が言う。

「昨年11月の新大関場所は序盤に阿炎、若隆影と平幕に2敗し、今年1月の大関2場所目も5日目までに翔猿、阿炎、王鵬に負けて黒星が先行した。序盤に負けるケースが多い。5月場所も序盤がカギとなるでしょう。幕内上位には空気が読めないガチンコ勢がひしめいていますから。

 ここ1年で2勝3敗と負け越している阿炎(東前頭2)をはじめ、防戦一方で2場所連続の黒星をつけられた王鵬(西前頭1)、右四つの大の里と喧嘩四つに。この1年で2度敗れている若元春(東前頭1)、そして先場所は優勝決定戦でこそ勝ったものの、本割りの土俵では0勝2敗の高安(東小結)などと、序盤での対戦が予想されます」

 そのなかでも注目されるのが直近2場所で2連敗を喫している王鵬との対戦だ。相撲担当記者が言う。

「巡業での王鵬は勝ち残りの申し合いに積極的に参加し、ぶつかり稽古では大の里と何度も対戦していた。大の里は師匠の前(鉾田巡業)では王鵬相手に立ち合いから厳しく攻めて4勝1敗と圧倒していたが、それも発奮材料になるのでは。王鵬の大の里へのライバル心は半端ではない。

 王鵬は横綱の豊昇龍と同期生で、学年はひとつ上にはなるが大の里と同じミレニアム(2000年)生まれ。2022年5月場所の再入幕以来、幕内に定着するようになった。平幕でエレベーター力士として長くくすぶっていたが、大の里が大関に昇進すると覚醒。1月場所は12勝をマークして優勝決定戦に進出した。先場所は新関脇として6勝9敗と負け越したが、それまで3連敗だった大の里に1月場所と3月場所に連勝した」

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン