年末恒例行事の餅つきに参加した特定抗争指定暴力団山口組ナンバー2、高山清司氏(手前)。2024年12月(時事通信フォト)

年末恒例行事の餅つきに参加した特定抗争指定暴力団山口組ナンバー2、高山清司氏(手前)。2024年12月(時事通信フォト)

「座布団が高いんだよ」

 これらの人事について、引退して久しい暴力団の元組長に聞いてみると、「関東を抑えておきたいという意向もあるんだろうが、座布団が高いんだよ」という返事が返ってきた。暴力団業界は階級社会であり序列に厳しい。序列は盃事や会合なども含め、あらゆる場面で席順によって明確に示される。昇格すればするだけ上席に座る。同時に座布団の厚みも増すと聞く。

 六代目体制での山口組ではこの序列により、司組長が出かける際、下っ端の組員らは玄関から出てきた組長の姿を見てはいけないというルールが存在するといわれる。司組長が車の乗り降りをする際などは、組長に背を向けることもあるらしい。執行部が直参組長ならまだしも、傘下組織の組員らが司組長の顔を見ることができる機会はほとんどない。

「組織の執行部でより高位に就き上席に座ることを、座布団が高いと表現するんだ。一度手にした権力と地位は手放すのが難しい。フジテレビの一見でもわかるだろう。ガバナンスに影響を与えるわけでもなく、指示する権限を持っているわけでもないといわれた日枝会長が、取締役相談役として院政を敷いていた。祭り上げられ頭を下げられてきた者が、すんなり身を引くというのは本当に難しい。事実上、執行部から外れたとしても影響力は残しておきたいものだ。誰も忘れられた存在にはなりたくないんでね」(元組長)

 情報のように序列が本当に変更したなら、問題なくスムーズに七代目に移行させたい六代目の思惑と顧問の思惑が一致したということだろうか。

「序列の変更は、七代目に移行するか、その体制が落ち着いた段階で終わるのではないかとみている。高山若頭が相談役になり執行部から外れたのは、警察に提出した抗争終結宣誓書に記されていた名前が彼だったということもあるだろう。それによってけじめをつける形で、弘道会出身者に若頭の座を譲ることができた。高山相談役が執行部に残れば、弘道会ばかりが…と思うやつも出てくる。内部分裂などのいらぬ陰謀説を消すためにも、執行部から外れたのだろう。事実上一線を退いたのではないかといわれているが、そうは思わない。あれだけの実力者だ。影響力がないわけがない」と元組長はいう。

 流れてきたSNSの情報にもこのような追記があった。「高山さん、いろいろな決め事やいわゆる義理事の場にもこなくなると雰囲気変わりますね。院政かもですが」。暴力団業界では誰も、彼らが本当に執行部からはずれるとは見ていないようだ。

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