フジテレビが公表した「ご報告」には該当社員の謝罪コメントも(フジテレビHPより)
身内の悪事を隠蔽するような幹部の態度
筆者の取材によれば、別のテレビ局の調査でも、大なり小なり、オンカジを利用したという社員、スタッフがいることがわかっている。どの時期に利用したのか、掛け金はいくらだったのか、違法の認識の有無などが調査され、会社の顧問弁護士などが「シロ」と判断した場合には、厳重注意で済む事例もあるようだ。
ではなぜ、今回の男性アナは実名で公表されたのか。
「利用していた期間が長かったとか、掛け金が多かったなどの可能性はありますが、やはり、フジテレビの看板アナであったから、という理由が大きいでしょう。現状、オンカジを単純に利用していただけでは、検挙される可能性が低いですが、にもかかわらず公表するのは、やはりイメージ失墜を防ぐために先手を打ったということでしょう」(キー局社会部記者)
オンカジの日本国内利用者数は200万人近いと推計されており、5割を超える人が「違法かもしれない」という認識を持っていたという調査結果もある。そのため、捜査当局は利用者の中からまず有名人を、次に賭け金が大きかったり常習性が高い人、またはオンカジを宣伝するインフルエンサーなどの摘発から着手したと言われている。まさに「見せしめ」のためである。
捜査が進み、現在では、マスコミや大手企業関係者が捜査の対象となる「ターン」に入ったはずだ。おそらくではあるが、省庁関係者や公務員など、対象はどんどん一般人にも迫りつつある、ということだろう。前出記者が続ける。
「マスコミ内部では、すでに“うちにもオンカジがいる”と噂になっていても報道しない、自社ニュースで取り上げない、など身内の悪事を隠蔽するような幹部の態度にあきれかえっている若い記者、スタッフもいます。オンカジのことをあれだけ断罪するように報じておいて、そのマスコミから利用者が出るというのはあまりにも恥ずかしい。ですが、これを隠しているようでは話にならない。恥をかいてでも膿を出し切るべきです」
フジテレビの「公表」に続くマスコミは出てくるか。