虫のような異物が発見されたラーメン(Xより、一部編集部で加工しています)
「現物がないんです…」
——異物は何か特定できたのでしょうか?
店長:動画を見る限り、俗にいうウジ虫のようなものだと思うんですが……特定出来たら公表しますが、まだ特定出来ていません。というのも、現物がないんです。
——現物がないというのは、処分してしまったということですか?
店長:そうなんです。クレームがあった時には私はお店にはおらず、後から店の者から報告を受けました。
当日現場にいたスタッフの対応としては、まず「虫が入っている」とお客様に言われた。その場で現物を確認したのですが、虫は見つけられず、厨房に持っていき、麺などを裏返して見てもわからず、最後に麺、チャーシュー、ネギ、メンマ全てを別々の容器に分けて、一つずつ確認したと。それでも異物を目視できなかったということでした。
マニュアル的に、髪の毛や虫など異物が発見できた場合は、現物を保存するというのが本部のルールとして決まっているんですが、現物が確認できなかったので、処分に至ったと。
そういう経緯があったとはいえ、こうやって保健所が調査するとなった時、現物がないから調査が進みません。当時私が不在だったとはいえ、処分してしまったのは完全に私の監督不足です。本当に、心の底から責任を感じています。
——お客さんは怒っていた?
店長:若いカップルの方でして、女性のラーメンに異物が入っていたと。特に激しい叱責などはなく、「虫が入っています」という形で指摘され、店員はその場で目視できませんでしたが謝罪し、問題のラーメンを取り下げて、すぐにラーメンと餃子を作り直して提供しました。
それでもやはり食べられないということで、謝罪対応をさせていただきました。「いいよ、いいよ」という感じでおっしゃっていましたが、現在もメッセージでやり取りはさせてもらっています。
——本部にはいつ連絡をしたんでしょうか?
店長:結果的に現物が確認できなかったこともあり、本部への連絡が遅れてしまいました。動画が投稿されたあとに、本部から店舗に連絡が入ったという流れです。
そう語る、疲弊した様子の店長。それでも記者を気遣いながら、「説明の責任があると思いますので」と取材に応じ続けるのだった。
動画では、チャーシューに虫が這っているように見えた。どのような経路で、異物が混入してしまったと考えられるのか——後編記事では、店長が明かした普段のチャーシューの保管方法、また考えうる“混入経路”について詳報する。
(後編につづく)