法廷でのドパルデュー被告(AFP=時事)
彼女が法廷で証言した内容からは、ドパルデュー被告が「撮影現場で一日中セックスについて話し、常に女性器の話をしていた」という異様な現場の実態が明らかになった。
20人以上の女性が強姦など告発
実は、この事件以前からドパルデュー被告には性的暴力の告発が相次いでいた。20人以上の女性が痴漢行為や強姦などで被害を訴えていたが、多くは時効で追及されていなかった。また、フランスの若手女優シャルロット・アルノーからも強姦と性的暴行の疑いで告発されており、ドパルデュー被告は合意だったと否定しているものの、この件でも別途裁判を受けるように求められている。
だが当の本人は、「女性に触れたことはあったとしても、性的な意図はなかった」と反論したほか、撮影現場で下品な言葉を使ったことは認めつつも、「誤解されないように楽屋では女性アシスタントを避けている」「私の時代は終わったと思っている」と開き直り、#MeToo運動について「この運動はテロになるだろう」と批判している。
被害者から多数の声が上がる一方、彼を擁護する著名人も少なくない。
判決前には、フランスの国民女優であるブリジット・バルドーがドパルデュー被告について「女性のお尻を掴む才能ある人」と評したうえで、擁護。また、自身をドパルデュー被告の大ファンと自称するマクロン大統領は「フランス最高勲章のレジオンドヌール勲章を剥奪すべきか」とのテレビ取材に対して、「魔女狩りだ」と答え、激しい反発を招いている。