収監される水原一平受刑者。牢獄のなかにも誘惑が(右はアレンウッド・ローHPより)
ドジャース・大谷翔平選手(30)の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われて禁錮4年9か月を言い渡された水原一平受刑者(40)が16日、米ペンシルベニア州の刑務所に収監された。カリフォルア州ロサンゼルス近郊に両親を残す水原受刑者はこれから、5年弱の孤独な日々を過ごすことになる。【前後編の後編。前編から読む】
弁護側が望んだカリフォルニア州南部の刑務所から、直線距離でも3000キロ以上離れた場所に収監された水原受刑者。『新天地』でうまくやっていけるかどうかは、他の収監者とのコミュニケーションが鍵を握る。在米ジャーナリストが語る。
「収監された刑務所の囚人は全員男性。収監者同士の性的暴行や性的嫌がらせも報告されているので、水原氏が同様の被害に遭わないとも限りません」(以下同)
囚人関係に加えて、塀の中での生活を少しでも「快適」にしてくれるのが売店の存在だ。
「ホームページを確認すると、本人の家族や友人などから“差し入れ”されるお金は、刑務所が管理する口座内に振り込まれるそうです。水原氏ら収監者はその口座に入るお金を使って、売店で日用品や食料品を購入することができます。ただし、1週間に使える限度額は90ドル(約1万3000円)までと定められています」
販売品目のリストを確認すると、「切手」「ヘアケア」「スキンケア」「医薬品」「電子機器」「肉やチーズ類」「キャンディ」「飲料水」「衣類」などと部門ごとに分かれており、品目は全部で300種類以上。価格は1ドル以下の「おつまみ」から、130ドル(約1万9000円)する「タブレットPC」までそろっている。
注目される物品は、「トランプ」(3.8ドル)だ。米国の刑務所ではポーカーやスポーツ賭博などのギャンブルが収監者たちの娯楽として横行しているといわれる。
「テレビが点いているスペースもあり、スポーツの試合で囚人同士が賭けるのは日常茶飯事のようです。水原氏はギャンブル依存症を公言していただけに、その誘惑に耐えられるかどうか。収監直前まで賭博を絶っていたとしても、塀の中で復活しないとも限りません」