変わりゆく「港区」
30代に入ると、早坂も次第に港区から足が遠のいたという。
「港区に出没する人が変わっていきましたからね。もともとは私でもわかるような会社や仕事をしている経営者とか芸能人が、色んな人と知り合ってその場でワイワイ楽しくできればって感じで集まっていました。なにより、女の子のほうも仕事があって、お金に縛られてはいなかった。
それが、だんだん男性陣がIT系とか投資で儲けたという若手実業家に変わってくると、お金の使い方はすごいけど、若いせいか気に入った子は囲って愛人関係みたいにしっかり付き合いたいってタイプが増えてきた印象でしたね。そうなると、これまでの港区にいた女の子たちの感覚とは合わなくなってきて、だんだん彼らはガールズバーとかラウンジに行くようになって、そこでアルバイトする一般の学生で可愛い子や、セレブな旅行とか高級レストランとかプレゼントとかをSNSに載せたいタイプの子とかと遊ぶようになっていましたね。結果的にそういう需要の先にいるのが、今の港区女子なのかな、と。
最近の港区女子にはバーキン(エルメスのバッグ)が必須アイテムみたいですね。すごい金額で取引されているけれど、私の20代の頃は定価も半額以下だったんです。思い返せば、その頃にバーキンをプレゼントでいただいたんですけど、当時は別のブランドバッグのほうが好きだったので、変えてもらったんです(苦笑)。今ではバーキンの資産価値がすごく上がっているから『なんでバーキンにしなかったの!』ってなるけれど、そのバッグも30代で必要がなくなって処分して、今はまた別のバッグを持っています。その時々で欲しいものも大事なものも変わりますからね。
すっかり港区からは離れていますが、たまに六本木を通りがかって港区女子っぽい子を見かけると、『懐かしいなぁ~』となりつつ、ふとそんなことを思い出します」
(了。前編から読む)
【プロフィール】
早坂ひとみ(はやさか・ひとみ)/2001年にデビューし、セクシー女優ユニット『ミリオンガールズ』としても活動。2006年に引退。Xアカウントは【@hayasaka_hitomi】。〈早坂ひとみ生誕&25周年記念イベント〉は2025年6月29日(日)、Studio apps(東京都台東区上野6-5-7)にて開催。