「素足は厳禁じゃ」
金田氏が球場へ取材に訪れた際、通路で若い投手が短パンと裸足にサンダルを履いて歩いているのを見ると、「なんじゃその格好は…。ふくらはぎを冷やしちゃいかん。それに素足は厳禁じゃ。足の指をどこかで引っ掛けたらどうする」と声をかけ、首にネックレスをつけた選手を見つけると「プレーの邪魔にならんのかな」と呆れていた。プロフェッショナルとしての自覚を誰より持つの金田さんからすれば信じられない光景に映っていたようだ。
金田氏は投球後のアイシングにも疑問を呈しており、「あれは醜いな。昔は温めていましたよ。ワシらは先発して、ダブルヘッダーで次の試合にもリリーフで行くんだから、冷やしてられるか。湿布はしたよ。寝る時に湿布して寝ればいい」と話していた。アイシングは球団専門のトレーナーの指示であり、これに関しては「時代が違う」という話かもしれない。
ただ、プロ野球選手が写真週刊誌に女性との夜遊びが掲載され問題になると、金田氏は「ワシは夜遊びでも野球に利用していた。英雄色を好むというが、聖人君子では野球はできん。色も人を生かすことがある」と選手を庇いながらこう続けた。
「ワシは相手に腕枕をする時も左腕を絶対に使わなかったし、登板日も意識していつするかを合わせていた。一流選手には夜もローテーションがあるんじゃ」
そうユーモアを交えながら、「ワシも投げた翌日はグランドで汗を流した。どんなに疲れていても体の動きを止めちゃダメなんだよ。時代が違うで片づけちゃいかん」と話していた。体調管理に真剣に取り組んでいたレジェンドは、令和の球界をどう見ただろうか。