4月の評価と比べると阿部監督もトーンダウン
西舘勇陽も岸田とバッテリーを組んで2連勝。その後にロッテ戦(6月24日)に甲斐と組んで負けている。阪神戦(7月1日)に先発した際も岸田と組むこととなり、また甲斐の先発マスクが減った。
「今後、戸郷と組ませることはあるかもしれないが、基本的に大城は代打要員でしょう。スタメンマスクは甲斐、岸田、小林で回していくことになり、グリフィン、西舘が岸田、赤星が小林ということになれば、甲斐の出番はそれ以外になってくる。4月は甲斐を“やっぱり違う”と評価していた阿部監督だが、ここにきてトーンダウンしている」(達川氏)
交流戦終了後、阿部監督はスポーツ報知のインタビューで、今後捕手は状況によって併用していく方針としたうえで、甲斐がロッテ戦(6月24日)でセーフティバントをしてファーストにヘッドスライディングをしたプレーを「ああいう姿勢が見えているうちは全然いいよって言って。これを何とか乗り越えて司令塔、チームリーダーとして若い選手を引っ張っていってほしい」とコメントしている。
交流戦に先発マスクで7戦7敗となった甲斐について、前出の達川氏はこう言う。
「甲斐がパ・リーグのバッターを知っている以上に、パ・リーグのバッターに甲斐の配球が読まれていたのではないか。これは伝え聞いた話だが、阿部監督は(甲斐のリードで)インコースが少ないと言っていたという。
ソフトバンク時代の甲斐は、ピッチャーの球に威力があるのでインコースを積極的に使う必要がなかったんです。阿部監督は現役時代にインコースをどんどん使っていたけど、甲斐は外を中心に組み立てる。捕って投げてキャッチャーとしての技術は甲斐が岸田や小林より上だが、阿部監督が岸田や小林を使うのはそのあたりの何かがあるのだろう。
甲斐は繊細なんですよね。開幕当時は甲斐しか使わなかった阿部監督が戸郷がダメだったことで岸田や大城を使うようになり、ライバルを気にし始めた。それがまたマイナスに働くようになっているということだと思う」
総額15億円で阿部監督が背番号10を譲ってまで獲得した甲斐だが、阿部巨人にそれだけのプラスをもたらせるのだろうか。真価が問われることになる。
※週刊ポスト2025年7月18・25日号