几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙

几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙

 2024年9月30日、りりちゃんに懲役8年6か月、罰金800万円という判決が下る。その後、最高裁まで争われるも上告が棄却され、2025年2月7日、りりちゃんは刑務所へと移送された。

 りりちゃんの母はいま、自宅のある神奈川から足しげく岐阜へと通っている。

「7月3日に真衣に会ってきました。受刑者には刑務作業が義務づけられていますが、これまでは座っての作業だったのに、いまは立ち仕事なので時間が経つのが早いって。真衣が、“居場所がなかった”“家庭がつらかった”と感じたこと、最初は信じがたかったけど、彼女がそう感じたのなら、そうだったのでしょう」

 約8年後、りりちゃんが出所したときのために、母親は「自分にできること」を探しているそうだ。

 一方、りりちゃんは最後まで、被害者に対して「謝らない」姿勢を貫いた。

 彼女は私に「“対価”としてお金をもらっただけ」と言い続けた。だが、被害者たちと合意が形成されたとは言いがたい。そして、恋愛感情につけ込む詐欺がいかに、人の心を殺す行為か、彼女は気づいているのだろうか。彼女はついぞ、自分の「本当の罪」を理解しないままに刑務所へと行ってしまったように思える。

 私がこの事件を通して強く願っているのは、「社会で一度つまずいてしまった人でも、命さえあれば、なんとか日常に戻ることができるはずだ」ということだ。また、「戻れる社会であってほしい」とも思っている。

 だから、りりちゃんも「罪」と向き合い、また日常へと戻ってきてほしい。

【プロフィール】
宇都宮直子(うつのみやなおこ)/1977年千葉県生まれ。多摩美術大学卒業後、出版社勤務などを経て、フリーランスに。『女性セブン』や『週刊ポスト』などで、事件や芸能スクープを中心に取材。2025年、第31回小学館ノンフィクション大賞を受賞した『渇愛~頂き女子りりちゃん~』(小学館)が発売中。

※女性セブン2025年7月24日号

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