竹書房発売のコミックエッセイ「特殊清掃の現場で見たリアルな死」(原案:小島美羽 漫画:ポレポレ美)
コストは50万~80万円ほど
夏場の遺体の「特殊清掃」となると、どれくらいの時間やコストがかかるのだろうか──。遺品整理・孤独死の特殊清掃を専門に行う「遺品整理クリーンサービス」を運営し、“遺品整理人”として活動する増田裕次氏によると、腐乱などで状態の悪い遺体が発見された部屋の清掃には、「だいたい1か月から1か月半」かかるという。
「たとえ冷房をつけていても、夏場のご遺体は死後数日も経てば、ウジやハエだらけになります。腐敗が進むと、体液も漏れてきます。壁紙や床材にまで染み込んだ腐敗臭を取り除くには、ただ消臭剤を撒いて終わりではなく、段階を経て作業する必要があります。遺品の整理や分別なども含めて、全ての作業を終えるのに大体1か月から1か月半かかるでしょうか。
われわれのサービスを例に出すと、特殊清掃そのものの費用は50万円ほどです。そこに遺品の分別・整理の作業の料金が加わってきて、トータルで70~80万円ほど見積もっていただければ問題ないかと思います」(遺品整理人・増田氏)
増田氏は、「単なる病死ではなく、熱中症の場合は大変です」と語る。