横澤夏子公式インスタグラムより
3人の娘の子育てに奮闘する芸人の横澤夏子(34)。2017年に一般男性と結婚し、2020年に第一子、2021年に第二子、2023年に第三子を出産。3人の出産を経験した今だからこそ語ることができる育児観の変化があるという──。
「1人目より2人目、2人目より3人目と、どんどん気持ちは楽になっていきました」
そう語る横澤の育児には、加速する少子化にストップをかけ、子育て世代が楽しく生きられるヒントがある、かもしれない。
横澤の著書『ドタバタ子育て大作戦 三姉妹のれんらくちょう』(オレンジページ)から、産後の価値観についてお届けする。(同書より一部抜粋して再構成)【全3回の第2回。第1回を読む】
* * *
甘えられなかった1 人目育児
もともと私は子ども好きだし、ベビーシッターの資格を取ってアルバイトもしていたので、絶対うまく子育てできると自分を過大評価していました。でも子どもが生まれてみると泣きやませ方も寝かしつけ方も全然こっちの思い通りにならなくて。
「預かる」と「育てる」は違うものだと知りました。いつもならポジティブに向かう「私はうまくやれる!」の気持ちが、真逆な働きをしてしまってプレッシャーとなり、新生児と一緒に泣いていた日々を思い出します。
忘れられないのが出産当日の夜。赤ちゃんを私の枕ごと抱っこしていたら寝たので、そーっと枕と一緒にコットにおろしたんです。このままでいいのかな、と思いつつ新生児室に預けに行ったら、助産師さんが「ママ、枕ないと困りますよね」ってスッと枕を抜いたんです。私は「あ、すごい! 起きてもいいと思ってるんだ!」とびっくり。最初の頃は自分の一挙手一投足に自信がなかった。
1か月後の助産師訪問で、助産師さんから「みんな心配してたのよ~」って言われて、余裕がない私、バレてたんだ。もっとプロたちに甘えればよかったんだ、ってそこでやっと気づきました。当時はコロナ禍だったので頼る選択肢が少なく、けっこう抱え込んでしまいました。
「限界になる前に頼っていい」に救われて
2人目が産まれたとき、助産師さんが「限界になる前に新生児室に連れてきてくださいね」と言ってくれたんです。え、限界になってからじゃなくて限界前に預けてもいいの!?と衝撃を受けました。たしかに預けられる側もいっぱいいっぱいの状態で預けられるより、その手前のほうが応えやすいですよね。おかげで、退院後、初めて新潟の実母に手伝いをお願いできたんです。
2人目の妊娠中、気がかりだったのが、果たして長女以上に愛することができるんだろうか、ということでした。こんなに大好きな長女がすでにいるのに、これ以上に愛せるのかな、どちらへの愛情も半分ずつに減っちゃうんじゃないかなって心配だったんです。いろんな人に「2人目ってかわいいですか?」って聞いて「かわいいですよ」と返ってきても、ほんとかなあって思っていて。
でも、初めてエコーで次女を見た瞬間に、カパーッって自分の中で愛情のキャパが広がった感じがしたんです。「あ、かわいい!」って。100の愛情が二人いると50:50になると思っていたけど、そうじゃなかった、愛の量が200になるなんて新発見でした。
もちろん3人目が生まれた今、愛情のキャパは、ガバガバッと開いて300です。