リネン室に重曹が常備されていた(従業員提供)
町長は経営再建を打ち出していたが…
実は「池田温泉」もいま、苦境に立たされている。東海地方のローカル局記者が語る。
「1996年に創業して以降、利用者の増加で『新館』を建てた2003年には64万人が来場した。しかし徐々に来客は減少し、2018年度に純損益が赤字に。そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、現在は赤字を補填するために基金を取り崩している状況です。
このままでは経営が立ち行かないと、池田町長は昨年冬から経営再建に着手。今年の6月には『再生策』を打ち出し、入湯料金の値上げや経費削減を通じてなんとか黒字化させる計画を発表したところでした。
竹中誉町長も『池田温泉は町民にとっての誇り。施設を存続し、利益を考えていきたい』と語るほど、熱を入れていたんです」
「株式会社たち川」の夜逃げは、そんな池田町の取り組みのなかで起こった“事件”だったことになる。
——「池田温泉」の経営悪化が、今回の「たち川」の夜逃げに関係している?
支配人「たち川さんとうちの経営は、全く別ですので。2階、3階部分は全部たち川さんに依頼してお願いしているものですから。うち(池田温泉)の経営再建というのは、夜逃げとは全く関係ないです」
——「たち川」さんに代わる施設の運営者は見つかっている?
支配人「いや、代わりも何も、まだ何もわかっていない状態で……何もかも未定です。今日の今日なので、私もバタバタでして……」