浴槽のお湯は白濁し「温泉」と表記があるが、「お湯に重曹を混ぜただけ」だという(大手旅行サイトより)
「これはもう、ダメだ」
——3階の旅館部分である「たち川」の部屋風呂に重曹を入れていたと聞いているが、それは知っていたか?(第2回記事参照)
支配人「3階の客室部分は、完全に水道水です。Aさんが客に『温泉だ』と説明していたことも、まして重曹を混ぜていたことも、私は全く知りませんでした……。
さらにいうと、Aさんに対しては、開業当初、『客室部分については水道水だから、お客さんにわかるようにちゃんと説明してね。そうじゃないと、お客さんに対して誤解を生むから、それはちゃんと伝えるように』と話していたんです。それが、重曹を入れとったなんて話は、僕も聞いてびっくりなんです」
——今後、池田温泉さんが再建に向かっていって欲しいが、今後は宿泊施設も存続させる?
支配人「いや、まだそういうことも、まだこれからなので。どうしていくか……」
——オーナー・A氏とは連絡は取れている?
支配人「私も電話をしたんですが、留守電になったきり連絡が来なくて。これはもう、ダメだなと。
うちはとにかく、粛々と進めていくだけです。ご迷惑をおかけしています、申し訳ございません……」
そう言って、支配人は頭を下げたのだった。
NEWSポストセブンは池田町・町長に取材を申し込んだが、担当者から「現状では取材に応じられない」との回答だった。
直撃取材後、A氏には再三電話をかけたが、繋がらなかった。「株式会社たち川」の事業停止を告知する張り紙に連絡先として書かれていた弁護士事務所にも質問状を送付したが、期限までに回答はなかった。
池田山の自然の恵みを受け、風光明媚な景観が残る池田町。いまも1階で運営されている「池田温泉」は地元の人も、そして観光客も愛する正真正銘の名湯だ。再建に向けて、池田町の奮起に期待したい。
(了。第一回から読む)