幹部4人の特殊詐欺時代の関係
「腕を切り落とせ」
「接触部隊」のこうした行動により、当然ながら、日本の構成員による持ち逃げが激減したという。
藤田被告は裁判に証人としても出廷し、「持ち逃げした構成員に実際に制裁を加えることは何度かあった」と認めたうえで、小島被告の証言と同じ詳細を明かした。加えて、フィリピンにおいても、かけ子に制裁を加える場に立ち会ったと自ら淡々と語った。
「フィリピンのかけ子に制裁を加えたことも何回かありました。ひとつは……山の中のリゾート地に連れて行き、フィリピン人の渡辺のボディガード2人に、かけ子の頭に銃を突きつけさせて『腕を切り落とせ』とか……あとは(腕を切り落とすことが)できないなら、指10本落とせと言ったり、殴る蹴る……もう一つは、別の人間の指示で、かけ子を路上で、フィリピン人のギャング、そいつに撃たせて、ガソリンを撒いて燃やす場面に立ち会ってそれを見ました」(藤田被告の証言)
しかし藤田被告によればフィリピンでの殺人や拷問は「自分の指示ではない」のだという。
「自分も殺されるんじゃないかと思い、渡辺に問いただしたことあるんで」(藤田被告の証言)
そう尋問で語る藤田被告は、特殊詐欺組織に加入してほどなく、小島被告が組織の「ナンバー2」だったとも語った。
「僕が(組織に)入ったばかりのとき、小島さんはリクルーターのような感じでしたが、数か月して、金庫番というかナンバー2のような感じになってたと思います。自分で言っていることもありました。飲み屋で酒飲んでる時に『自分は実質ナンバー2だから』と言ってました」(藤田被告の証言)