ライフ

《子供たちの写真や動画のSNS公開を巡る問題点》悪意なく流出するケースも発生 「ルールを知らない親が自慢のカメラで撮った写真を…」「いいプレーを見てほしいと子供が…」

よい写真を、よいプレーを見てもらいたいという素朴な気持ちからだったが(イメージ写真)

よい写真を、よいプレーを見てもらいたいという素朴な気持ちからだったが(イメージ写真)

 SNSの利用が急拡大した当初、子供の姿を知人に見せるため、親がみずからすすんで写真や動画を公開したものだった。ところが、スマートフォンが普及しSNS利用が当たり前になると、悪意ある第三者の介入による実害が発生するようになり、撮影しても、それをどのように取り扱うかには神経をつかう。ライターの宮添優氏が、子供たちの撮影と共有をめぐる混乱についてレポートする。

 * * *
「みんな笑顔で本当にいい写真でした。だから、消してくださいとは誰も言い出せなかったんです」

 千葉県在住の専業主婦の女性(30代)がそう言って見せてくれたのは、あるSNSの公開アカウントにアップされたという、数十人の子供たちが、サッカーユニフォーム姿で楽しそうに映る写真。主婦はなぜ「消してほしい」と願ったのか。

「チームの取り決めとして、子供の写真をSNSにアップすることは基本的に禁止でした。どうしてもというときは、保護者だけなど限定公開で共有していました。

 しかし、カメラが得意だという新入生のパパが、ルールをご存知なかったようで、自慢のカメラで撮影した綺麗な写真を何枚も、公開範囲を限定させていないSNSに出してしまった。ただ、どれもプロ並みのいい写真であることは間違いないし、パパさんも身銭を切って撮影してくれている。だから本人に直接、ノーといえず、モヤモヤしっぱなし。一部の親からは強烈なクレームも出て、子供数人からも”自分の写真を他人に見られたくない”という声も上がりました。結局、誰かがコーチに相談をして、コーチや監督経由でその親御さんにお話がいって」

 この写真公開事件は、決して悪意によるものではない。だが、善意から起きてしまったことだと分かるからこそ、周囲も指摘しづらい。そして、折角の和気藹々とした保護者たちの雰囲気が悪くしたくないなど様々な要因から、皆が口をつぐんでいたが、内心では、我が子のプライバシーについて大いに不安な気持ちが晴れない。結局、コーチや監督の働きかけもあり投稿は取り下げられた。

 このとき保護者たちがつくづく思い知ったのは、いくら事前に取り決めをしていようと、様々な理由で写真や動画は、どこかから漏れるということだ。

チームメイトの良いプレーを見てほしい

「プレーの映像など、絶対にSNSにはあげません。いくら子供たちのスポーツとは言え真剣勝負。そうした映像を公開SNSにアップすることは、いわば、自チームの情報を”敵に流した”ことと変わらないし、プライバシー的にも問題がある。そのあたりはしっかり、保護者のみなさんにも子供にも、伝えています」

関連記事

トピックス

鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
連覇を狙う大の里に黄信号か(時事通信フォト)
《大相撲ロンドン公演で大の里がピンチ?》ロンドン巡業の翌場所に東西横綱や若貴&曙が散々な成績になった“34年前の悪夢”「人気力士の疲労は相当なもの」との指摘も
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
マンションの周囲や敷地内にスマホを見ながら立っている女性が増えた(写真提供/イメージマート)
《高級タワマンがパパ活の現場に》元住民が嘆きの告発 周辺や敷地内に露出多めの女性が増え、スマホを片手に…居住者用ラウンジでデート、共用スペースでどんちゃん騒ぎも
NEWSポストセブン
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
デビュー25周年を迎えた後藤真希
デビュー25周年の後藤真希 「なんだか“作ったもの”に感じてしまった」とモー娘。時代の葛藤明かす きゃんちゅー、AKBとのコラボで感じた“意識の変化”も
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
亡くなった辻上里菜さん(写真/里菜さんの母親提供)
《22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人事件」に新証言》裁判で認められた被告の「女性と別の男の2人の脅されていた」の主張に、当事者である“別の男”が反論 「彼女が殺されたことも知らなかった」と手紙に綴る
NEWSポストセブン
ものづくりの現場がやっぱり好きだと菊川怜は言う
《15年ぶりに映画出演》菊川怜インタビュー 三児の子育てを中心とした生活の中、肉体的にハードでも「これまでのイメージを覆すような役にも挑戦していきたい」と意気込み
週刊ポスト
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン