写真や画像は、撮影したら必ず漏洩するものだと思わなくてはならないのかもしれない(イメージ写真)
SNSで映像は公開しない、と向き合い方を話すのは、都内でバスケットボール教室を運営する男性。そして、子供たちのプレーを勝手にSNSで公開され、危うく大会出場を逃しそうになったと振り返る。
「大きな大会の直前で、チームの映像や方針などが相手に抜けると不利になる。そんな理由から、チームの試合の映像は絶対に外に出ないようにしてきました。ところが、鍵付きのチーム用アカウントにあった映像を勝手にダウンロードし、親に送った生徒がいた。その映像が、生徒の親から別の親へと渡され、最終的に相手チームの関係者に渡ってしまった。他チームの責任者の知人から”こんな映像が回ってきた”と言われ、そこで初めて気がつきました」(バスケ教室運営の男性)
複数のチームの責任者同士が、男性が指導するチームの「映像が漏れている」ことに気がつき、このときは素早く対処され、被害は最小限に抑えられたという。ところが、この漏洩が関係者に知られると、誰かが意図的にチーム事情を漏らしたのではないか、と疑心暗鬼にかられた声も出てきて、チームは混乱に陥った。
「映像の漏洩そのものは、ある生徒によるダウンロードと転送が発端だと発覚しましたが、もちろん、その生徒に自チームの情報を漏らそうという思いはありませんでした。チームメイトの良いプレーを見てほしい、という思いからやったものでした。ですが、禁止されていることをやってしまい、騒動を起こしたことにひどく落胆し、そのままチームも辞めてしまいました」(バスケ教室運営の男性)
この生徒もまた、自慢の仲間のプレーを誰かに見てほしいという清らかな思いから映像をダウンロードしてまで親に渡した。親から親へ映像が渡った経緯も、スパイ的な目的ではなく、良いプレーが口コミ的に拡がっていくようなものだったという。基本的に、どの行為も悪意によるものではなかったが「勝手に動画を渡した」という一点がきっかけになり、トラブルへと発展してしまう。似たような事例はまだある。
「部活を引退する先輩のために、後輩が集まって激励のメッセージ映像を作ったんです。映像編集が得意な子がいて、確かに作りはプロが作ったのかと思うほどの出来栄え。素晴らしい完成度だと、学校中で話題になりました」