本業よりも大きい手数料

「関連ビジネスは代理人任せ。大谷は仮想通貨が何かも把握していない」というのは、『完全メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2025』の編著者で、スポーツライターの友成那智氏だ。そのことが訴訟でも重要だと指摘する。

「FTXトレーディングの事件では大谷のほか、女子テニスの大坂なおみ、NFLのトム・ブレイディ、NBAのステフィン・カリー、スーパーモデルのジゼル・ブンチェン、コメディアンのラリー・デヴィッドらが同様に訴えられました。裁判所は著名人らがFTXが詐欺であることを知っていたとは証明されず、共謀を立証できないとして訴えを棄却しています」

 とはいえ、なぜ広告をめぐったトラブルが相次ぐのか。背景には、代理人側が巨額の関連ビジネスに注力したくなる構造があると友成氏は言う。

「球団との契約交渉など、通常の業務で代理人が受け取る手数料はMLBでは上限が5%と決まっていますが、こういったビジネスは他の例を見ても15%ぐらいの手数料が入るでしょう。本業の代理人より関連ビジネスのほうがインセンティブはいいわけです」

 こうしたビッグビジネスに積極的に手を出せるのは、大谷とバレロ氏の関係性ゆえだという。

「自身の報酬を上げるためにとにかく高額の契約を目指して吹っかける代理人が少なくないなか、バレロは大谷の二刀流実現を含め選手の希望に最大限寄り添い、球団と交渉してくれる。大谷は本業の代理人としてバレロに絶大なる信頼を置いており、サイドビジネスで多少のトラブルに巻き込まれても解任することはないでしょうね」(友成氏)

 本業の差し障りにならないことを願いたい。

※週刊ポスト2025年8月29日・9月5日号

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