迷惑な来訪者たちを迷惑ドローン撮影しようとする人たちまであらわれた(写真提供/イメージマート)
そうした悪趣味な「盗撮映像」がネットへ投稿され、性的少数者を攻撃したり、揶揄する材料になることもあるという。もちろん、差別的な言動は厳に慎まなければならないが、そもそも一部の当事者たちもまた、SNSを使って非常識行為をエスカレートさせている。
例えば、XやInstagramなど、子供でも閲覧できるSNS上に、前出のビーチのような場所で撮影された、いかがわしい写真をアップしているアカウントがいくつも確認できる。もちろん多くのSNSではそういった投稿は禁止事項になっているのだが、運営側の管理の目をかいくぐって投稿しているのだ。中には、場所が容易に特定できるようなわいせつな映像や写真も複数あり、それに対して別のアカウントが絶賛の声を寄せたり、実際に会わないかと交渉までしている始末である。
SNSにより、”交流”が容易になったことで、日常生活を送っている人たちのすぐそばで、遠慮無く見せつけるような結果になっている。前出の飲食店経営者はこう嘆くのだった。
「いかがわしい行為を店の近くでやられたことで、お客さんも減ってしまった。とにかくやめてほしい。ただそれだけなんだよ」
その地で暮らす人たちの生活を無視し、SNS投稿して世界中に拡散させるようなことは許容されない。火気厳禁の河川敷や海岸でBBQをして騒ぐだけでなくゴミを放置して帰る人たちや、映える写真を撮りたいからと立ち入り禁止地域に踏み入り樹木を勝手に切る自称インフルエンサーなどと同様の身勝手なことを地域住民に押しつけているのだと考えれば、歓迎されないことだと容易に分かるだろう。同じことが好きな仲間を見つけやすいSNSは便利な道具だが、何をしてもゆるされる万能な立場を与えてくれるわけではない。スマホの画面から見聞きするものだけが世界のすべてではないと、改めて思い起こしてほしい。