1939年に発生した旧日本軍による南京事件について扱った映画『南京写真館』(中華人民共和国駐日大使館の公式Xより)
「中国軍の仕業とでっちあげて、日本が戦争を始めた日なので反日感情が非常に高まります。『国恥の日』として、中国各地でさまざまな反日イベントが行われる。日中関係が最も悪化する日ともいえます。
その上、昨年、深センで日本人学校に通う男児が殺害されたのもまさにこの日でした。『南京写真館』だけでもすごい影響なのに、更なる日中の関係悪化が懸念されます」(同前)
このような事態に、不安の声をあげるのは現地で暮らす日本人だ。
「反日映画が公開されても、中国人の友人は何も変わりません。日本と一緒で、ネット上には過激な投稿をしても、対面では特に……という人も多いはずです。
ただ、最近では実際に日本人を狙う事件も起きています。昨年には蘇州市で日本人母子が襲われて助けようとした中国人女性が殺害されましたし、深センで日本人の男の子が殺害されたのも衝撃的でした。今年7月31日にも子供連れが石のようなもので殴られています。
抗日キャンペーンに影響を受けた一部の過激な考えの人がとんでもないことをするのではないかと、強い不安を感じています。私も妻子と共にこちらに住んでいるのですが、いつも一緒にいて守れるわけではありませんから……。何が起こるのかわからない恐怖があります」
戦後80年、両国の間にはいまだ深い溝が横たわっている。