立ち読みするふりをするだけの涼み客を最初は追い出したかった(写真提供/イメージマート)

本を選んでいるふりをするだけの涼み客を最初は追い出したかった(写真提供/イメージマート)

「今日は朝からお客さんゼロ。いくら夏で暑いからって、お客さんがゼロの日なんてなかったけどね。近くのスーパーも、日中はほとんどお客さんが来なくて、夕方頃から増え始めて、涼しい夜には混雑するくらい。年寄りは暑さに弱いからね、こんなに暑いと、年寄りは夜型の生活になっちゃうね」(衣料品店経営者)

 あまりに高温のため、自治体などが市民に「不要不急の外出を控える」よう呼びかけているものの、どうしても外出しなければならない、という人だって少なくない。そんなとき、人々はどんな工夫で暑さを凌いでいるのか。都内の老舗商店街にある書店経営者がぼやく。

「この時期は立ち読みが増えてしょうがない! 普段は全然いないのに、暑い夏だけ涼みに来てるんですよ」(書店経営者)

 ネット通販や電子書籍などの影響で、次々に閉店している街の書店。店内は閑散としているのが常だというが、近年、夏の時期だけ急に来店者が増えるのだという。

「うちみたいな本屋は、通行人の避暑地になってるワケよ。本を見るふりすればタダで涼める。だから、うちを出た客はその後、少し離れたコンビニでまた涼む。無料で涼める店をハシゴしながら、駅まで歩く人が多いの」(書店経営者)

当初、経営者はこの「無料で涼みに来る」客を苦々しく思っていたが、最近では、実際に本を買っていく客や、涼みに来たことがきっかけで常連になった客もいるという。

「最初は追い出したいくらいだった(笑)。けど、この気温じゃしょうがないよね、と思うようになりました。あと、涼みに来る客が本を買ってくれたり、それがきっかけで通ってくれたりね、そういうこともあった。どうせ冷房はつけっぱなしだし、市民の避暑地になってるのなら、それでいいやって」(書店経営者)

この時期は通販のほうが延びる

 すさまじい暑さであっても、それがきっかけで商売が好転するなら、確かに文句はない。しかし、そうした人々は少数だ。

 千葉県内の大型ショッピングモール内にある飲食店の店長が嘆くのは、灼熱の日における、店内店舗と店外店舗の客足の大きすぎる差だ。

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